[携帯モード] [URL送信]

dream
分け合うふたり。

いつもそばにいるから


大切さなんてわからない


だからたまに


こういう日がなくっちゃね?








分け合うふたり。













「今日ぐらい、彼氏と一緒にお昼食べなさい!!!!」


なぜだか友達に怒られて、彼氏の忠義と屋上に向かってるあたし、

この頃ふたり、距離が開き気味。


べつに嫌いなわけじゃないけど、あたしはもともとドライな人間関係が好きだから。

もちろん忠義のことは大好きだし(そんなこと絶対言わないけど)、

そばにいたいな、って思うときもなくはない。


でもいつも一緒にいたら、その大切さわからなくなるし。


ちょっとため息をついて横を見ると、忠義が購買のパンをほおばっていた。

「おいしそうに食べるねぇ…」

「おいしいからねぇ」


あたしも、今朝遅刻寸前で急いで作ったお弁当を開く。

時間なかった割に、我ながらなかなかの出来。



あっという間にとなりの忠義がパンを食べ終わり、今度はプリンを食べ始めた。

プリンがちょっとほしいから、お弁当を忠義のほうに傾けると、

彼は嬉しそうにあたしの卵焼きを口にほうりこんで、
プリンをはい、と渡してくれた。



食べ終わって、眠くなったあたしが丸くなると、忠義がちょん、とあたしをつついた。


「ん?」

目を開けると、忠義はまるで小さな子供を抱きかかえるみたいにあたしを起こして、自分にもたれかけさせた。


「忠義」

「??」

「あたしのこと冷たいー、とか思う??」

長い間気になっていた質問をしてみた。
友達にも、よく
あんたは忠義くんに冷たすぎる!!!!
なんてよく言われるから…。

忠義は首を捻って、

「あんまり思わへんなぁ」

と言う。

「逆にべたべたするさくらってらしくないし、
俺はいつものさくらに惚れたんやし。」

そんな恥ずかしくなることを言った後、にやっと笑って、

「たまにこんな風にいちゃいちゃできたら充分やで」

なんて言う。


「なら、ええけど…」

やっぱり恥ずかしくなってそっぽを向くと、目の前に忠義の顔。


目をつぶって。



こうやって幸せを分け合って。




好きだから。












[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!