dream 無愛想な彼女。 <渋谷すばる> サビ前のコードを弾いたところで、さくらがむくりと起き上がった。 「あ、起こしちゃった?」 大丈夫…なんて俺の彼女は言わない。 うん、とうなずいた寝起きの不機嫌な顔。 髪を撫でても、抱き締めても、無表情のまま。 無愛想な彼女。 今日はひさびさの休み。 さくらも俺もくたくたやったから、どこへ行くわけでもなく。 ピックを置いてソファに寄りかかると、隣で丸まって猫のように寝ていたさくらがまたむくりと起きて、 「すばる、もう弾かへんの?」 といった。 最近気づいた、彼女の可愛い癖。 素直になれないとき、少しだけ頬を膨らませる。 膨らんだ左頬は、もうちょっとギター弾いて、の合図。 「起こしたらあかんやろ。」 ついつい意地悪してしまう。 「べつに。」 ますます不機嫌な顔になった。 こんなに気まぐれな子猫ちゃんの相手できんの、俺だけとちゃう?、と苦笑いしてはじめのコードを鳴らした。 珍しく黙って見つめながら聞いてるさくらがいとおしくて、後奏もそこそこにギターを置いて抱き締めた。 「さくら、好きや。」 期待もせずに言った言葉に返事が帰ってきた。 「知ってる。」 素直じゃなくて、無表情で、無愛想で… でもどうしようもなく、愛しい彼女。 あとがき。 はじめての作品です〜(^^; 短いし文才ないしごめんなさい… これからじゃんじゃん投稿がんばります! [次へ#] |