おかしな男と王女さま
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あまりの突然に言葉もない。
「・・・うそだろ、これからって時に。」
本当にこれでは殴られ損ではないか。
「ふっ・・・ぁはははは。」
「・・・あのなー、俺にとっては笑いごとじゃねーんだけど。」
悠は本当に楽しそうに笑う。
「ふふ、・・・でも本当に災難だったね。勘違いで殴られるなんて。」
あぁ、今日も王女さまはご機嫌だ。
「・・・・は、言ってくれるね。
殴られる前から近くに隠れて観客を決め込んでたくせに。・・・・・・ったく、最後はおかげで作戦までパーだよ。」
そう、悠はすべてを見ていた。最初から最後まで。
俺が殴られるその瞬間まで。
高見の見物を決め込んでいたわけだ。
何故そう決めつけられるのか?
答えは簡単。
始めから俺も悠がこの場にいたことを知っていたから。
では、次の質問。
何故俺はわざわざこんな茶番をしていたのか?
それはもちろん王女が望んだからだ。
目的はただひとつ。俺が殴られるため・・・・・・・。ではなく、あのバカな男。
吉田の抹殺。、いや少し盛りすぎた・・・・、これはただのつまりはお片付け。
悠のただの掃除のひとつなのだ。
「しっかし、今回はずいぶんと無粋なマネをしてくれたなー、悠。
せっかくのお前に言われた仕事のためにせっかく練った計画が台無しだ。
これから、追いつめていろいろやるつもりだったが、・・・・・ま、いっかぁー。」
「あんたが、いさぎよく殴られたおかげで早々と証拠とかネタがとれたし、後はのちのち縛りつけていけばいいわ。」
ふふんと悠は満足そうである。
「はぁー、まったくいいご趣味で。」
「それに、あんた余計なことまで口走りそうだったじゃない。・・・・ま、今回はうまくいきそうだからいいわ。
っしかし、・・・・・逃げられるとは私も考えていなかったけど、、ふふっ・あーお腹イタイ。」
・・・・・嫌味も通じなければ、上乗せして人の痛手をついてくる。
そして、このマイペース。
あぁ、長い付き合いだ。こんな反撃がくることもしっている。
さて、そろそろ、
「・・・・で?あのストーカー男通称、吉田くんをお前は最終的にどうしたいんだ?」
本題に入ろうか?
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