おかしな男と王女さま
・
「悠ちゃん、ど、・・どうしてこんなところに??」
悠があらわれたとたん男は顔を赤くしながら、しかしあせったように話だす。
こんな状況でもこいつは悠に会えるのがうれしいらしい。
俺は呆れながら男、そして彼女に視線をめぐらす。
「もーーー、コウ遅いよぉ。探しちゃったじゃん!!」
黒の美しいロングヘアー、愛嬌のあるやわらかな目、小さめの口に、ピンク色の頬。
まさに美少女。
それが彼女、校内でその容姿としぐさから王女となずけられ、そしていままさに俺が理不尽にも殴られた原因。
姫路 悠。
「あ、・・・ところで、二人っきりでなにしてたの?「お、おう。だたの男の会話だよ!!だよな?咎埼?」
同意を求めるように肩に力を入れられる。
痛い・・・脅しをかけているつもりなのだろうか?
だったら笑える。滑稽だ。
あいにく俺は、脅されて自我を抑えられる強さも、殴り合って友情がめばえるなんてコミュニケーション能力も・・・・・かばってあげるなんつー自己犠牲のやさしさも持ち合わせていない。
おもむろに俺はポケットに手をつっこみそして、・・・
なかの物のボタンを押した。
[・・いいかげん俺の王女に近づくなってんだよ!!・・・・・・・・・・バキッ!!]
「「「・・・・・・・・。」」」
ちらりと男の顔を見る。
「え、・・・あ、悠ちゃんこ、れは・」
さっきの赤面から一変青白く、そして見るからにこの寒い中だらだらと汗をふきだしている・・・。
「・・・・え、と・・吉田くん。」
「ち、違うんだ!!お、王女!!あ、つまりその」
目が動き後ずさりながら俺を睨むそして、・・・
「ちくしょ、・・咎埼てめーだけは許さねぇーからなぁぁぁあぁ。」
・・・・・走り去っていかれてしまった。
え、・・・・・・。
大事なことなこでもう一度。
走り去っていった。
「はい?、、」
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