変わったこと【東方】 霊夢×アリス 夢を見た。昔の夢。アリスがまだ小さい頃の夢。生意気だった頃の…。 「変わらないわね」 「何が?」 一緒に夕飯を食べているアリスに言うと、左手に持っていたお茶碗を置いてから聞かれた。 「昔から、お箸の持ち方がおかしのよね」 「仕方ないでしょ」 右手に持っていたお箸をギュッと握りしめて言った。 子供の頃から変わらない持ち方に、つい笑ってしまう。何度注意しても直らなくて、私もアリスも苛々して、食べれればいいじゃないかと毎回アリスは言っていた。何より見た目が良くないから直させたくて、私も躍起になっていたけど、今では何かと注意してくるのはアリスの方で。 「昔のあんたは可愛かったわね」 「いきなり何よ」 「ちょっと突っ掛かってくるぐらいが可愛いのに」 今じゃお姉さんぶって接してくる。 一人じゃ大したこと出来なかったくせに、お節介で私の事まで気を回せるようになったし、生意気な事を言わなくなった。寧ろ私の方が生意気になった気がする。 「昔はさんざん苛めたくせに…」 「愛情表現じゃない」 「あんな愛情表現いらなかったわ」 事あるごとに弾幕ごっこ。負けた方が料理当番、掃除、お風呂の準備。私が勝つことを分かっていてやっていた。だからアリスが勝つことは一度もなかった。 「じゃあ、今の愛情表現は?」 他愛のない会話をして、笑いあって、言い合いをしたりして。たまには肌を重ねたりもする。私たちはそれなりにお互いの時間を大切にし合っている。私はこんな恋愛に満足している。無理も背伸びもない恋愛を。 「嫌ではないわ。でも、宴会の参加を減らしてもらえると嬉しいわ」 「嫌よ。だって自慢したいじゃない」 あぁ、何か子供っぽい。アリスは見た目も精神的にも大人に変わったけど、私はダメな方に変わったかも知れない。 誰かに気付かれたら、馬鹿にされるだろうなぁ +++++++++ レイアリは過去を絡めた話が好き! [*前へ][次へ#] [戻る] |