空気【咲-Saki-】
久×美穂子
「…、…」
壁に凭れて、部屋を見渡す。夕食を食べ終えて他校と交流をしている皆を見ていると、麻雀を抜きにしても、この合宿に参加して良かったと思える。
「疲れちゃった?」
「上埜さん…」
私の隣に座って、上埜さんが話し掛けてくれた。
「そういえば、学校に来たときは竹井って言ったのよね?」
「はい…。ずっと心の中で繰り返してましたから」
「なら頭の中は私でいっぱいだったって事ね」
確かにそう。間違えないように、何度も竹井久さん。と言い続けていた。でもはっきり言われると凄く恥ずかしくて、上埜さんから目を逸らしてしまった。
「ホント、可愛いわね」
私を抱き寄せて、頭を優しく撫でてくれた。
上埜さんのペースに巻き込まれたままではいけないと思い、顔を上げて真っ直ぐ目を見る。
「上埜さんの方が可愛いです」
「嬉しい事言ってくれちゃって」
ギュッと抱き締められて、耳元で大好きよ。と言われ、恥ずかしくてどうしていいか分からなくなって、取り敢えず紛らわす為にギュッと抱き付いた。
「美穂子…」
名前で呼ばれ、頬に手を添えられる。反射的に顔を上げると上埜さんは一度微笑んで、目を閉じた。
「…、」
私も名前を呼んで目を閉じようとしたら、加治木さんが制止した。
「場所をわきまえないか…?」
呆れと私たちの雰囲気を壊した罪悪感が混ざった、複雑な表情をしている。
「駄目なの?」
「周囲の視線が気にならないのか?」
全く。と答えた上埜さんに、加治木さんは溜め息を吐いて私たちに背を向けた。
「部長とキャプテンだろ?皆の手本となる行動をだな…」
加治木さんが話しているのを無視して、上埜さんは再び私の頬に手を添え目を閉じて距離を縮めてきた。
加治木さんも諦めたのか、持っていた資料の束で上埜さんの頭を叩いてから去っていった。
「どうして邪魔するかなぁ…」
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KYな程イチャイチャとのリクエストでしたが、これって十分KYですよね?
注意したかじゅは勇者だと思うww
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