[携帯モード] [URL送信]

box
睡眠と白石不足中

(大学生/同居設定/葵作)







「んー…っ」




持っていたシャーペンを机に置き、眼鏡を外した

時計は午前1時を回っていた
随分と長い間机に向かっていたようだ

シャーペンを持っていた手が少しだけ痛い。




「終わったん?」



「いや、やっと半分ちょい過ぎた」



「そろそろ寝た方がええんちゃう?」



「俺より白石が寝た方がいいと思うで……あー、もう」



「はは、着々と関西弁になって来てるな」




目の前の男は組んでいた脚を戻し、分厚い本をパタリと閉じた


机の上のライトしか付いてないから本なんて読んでたら目が悪くなる、そう言おうとしたが、やっぱりやめた。
だってこの男はそんな事言ったって多分聞かないから



「それと、」



「なん?」



「いい加減その"白石"ってのやめへん?」



「なんで?」



「なんかよそよそしいから」



「別にいいじゃろ。
俺の勝手ナリ…っ、」




出掛けたあくびを我慢する




「ほら、あくびなんてして。眠いんやろ?」



「眠くない」



「嘘つかない」




白石の方を向いていた椅子を元の方向にくるりと戻す

シャーペンを握ろうとした左手を白石は優しい手つきで止めた




「なに」



「ほら、寝よ?」



「白石だけ寝ればいいじゃろ」



「んー、なんか一緒に住んでるのにベッドに入るのが別々ってなんかやだ」




なにがやだ、じゃ。
ただの白石の我が儘やん…また関西弁出て来た。




俺達は世間一般でいう同居っちゅーもんをしてる
同居し始めたのは半年くらい前。

中学から付き合っていた俺達はそのまま高校卒業までいわゆる遠距離恋愛をしていた

だけど白石がなんか知らんけど神奈川に引っ越す事になってじゃあ同居しよっか、と。



(なんじゃ、じゃあ同居しよっか、って。)


今考えれば白石はもしかしたら同居する為に神奈川に引っ越してきたのかも…

まぁ白石の行きたい大学が神奈川にあったから…という事にしておく。


一応、一緒に住めるのは嬉しかったりする。




「レポートの提出今週末だから無理。今やらんと週末忙しいんじゃ」



「えー…俺もう眠いんやけど」



「だから寝ればいいじゃろ…はぁ」



「一人だと寒いし」



「我が儘」



「雅治に言われたないわ」



「さりげなく雅治呼びすんな」



「恋人やしええやん。」



「あぁ、もう」




俺は頭を抱えた。

白石はこんな性格だったか、と。
いや、違う。
俺が寝ないから我が儘キャラを通して、俺が折れるのを待ってるに違いない。



頭の中でそんな事をくるくる考えていたら俺が握っていたシャーペンが無くなっていた




「は、」



「シャーペン、筆箱ん中しまっといたから。」




ニコリ
爽やかな笑みにライトのお陰で陰が入り、ちょっとだけ、怖い。


確かに俺だって眠いし、白石にも寝てほしい。
が、ここで寝てしまってはなんだか負けな気がする




「雅?」



「やっぱり、寝ない」




俺がそう言うと白石は小さくため息をついた




「変なトコで頑固っちゅーか意地っ張りっちゅーか…」



「悪いか」



「いいや、別に。」




さてと、もう一踏ん張り。
そう思った時、急に椅子をぐるりと回された。


いい加減、しつこい




「……なに」



「おー、怖」



「おまんのせいじゃろ」




そうやなー、とへらりと笑う白石


(なんなんじゃ、うざい)


口には出さないが多分、今俺は相当しかめっつらしてると思う




「ほら」




差し出された手

白石はどうしても俺を寝かせる気らしい。


俺はもちろんその手を取らない
ぷい、とそっぽを向いたら腕を捕まれ引っ張られた。



「い、た」



「あ、ごめん。大丈夫?」



「アホ、なにすんじゃ急に。」



「だって引っ張らないとどうせ雅、手取らないやん」



「だからって無理矢理ベッドまで引っ張るか普通」




白石に腕を引っ張られて寝室に入る
(というか無理矢理だから入れられたの方が合ってる)




「雅、おいで」




でも疲れた身体は睡眠を欲していた
ついでに白石の事も。


布団に入る
長時間、椅子に座っていた為、腰や背中が随分と楽になった




「はー、あったかい」



「うざい、あつい、くっつくな」



「はは、酷い扱いやなぁ」




そう言いつつ腰に腕を回してくる辺り、俺の言葉は全然白石に効いてないみたいだ

もう眠いから、そんな事、どうでもいいや。




「おやすみ、雅。」




白石の優しい声と、白石の心音が眠気を誘う

重量に逆らわず瞼を閉じる。


おやすみ、そう言おうとしていた頃にはもう俺は意識を夢の中に沈めていた。


















Good nignt


(よい夢を。)


















*アトガキ*


ちょっとツンツンした仁王を目指しました^ω^
なんか白石しつこい(笑)

タイトルのセンスの無さに絶望した←
毎回こんなんですみませんorz


11、1、21

[*前へ]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!