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甘えんBoy(謙蔵)
(頂き物)



「え、白石休みなん」
クラスメイトであり、俺の大切な恋人の白石が風邪をひいて休んでしまった。あの健康オタクの白石が風邪で休むなんて珍しい。白石のことが心配すぎて一日ずっと上の空だった。帰り際に担任の先生から呼び止められ、白石にプリントを届けるという仕事を預かった。もともと寄る予定だったし…まぁいいか。


白石の部屋のドアをコンコン、と小さくノックをして返事を待つが、返ってこないので勝手に入ることにする。何回も入ったことはあるし別に構わないだろう。
「白石ぃー?」
いつも通り整頓された部屋に入る。白石はすぅすぅと規則正しい寝息を立てていた。不謹慎かもしれないが、ものすごく可愛い。熱のせいで頬をほんのりとピンクに染めている。
(これはアカンやろ…)
なんだか色々な妄想が頭の中を駆け巡る。だんだんと抑えがきかなくなってくる。
(アカン、アカンぞ謙也。相手は病人や…)
ダメだと考えれば考えるほど、ピンク色が脳内を支配する。ちゅーだけなら…、ちゅーだけ…。もう白石の唇しか目に入らなくて、素早く顔を近づける。
「…謙也?」
「どおおお!!」
白石がいきなり起きて、驚いた俺はドシンと言う音を響かせベッドから落ちてしまった。
「なにしとんの」
「ベッドから落ちたんやドアホ!」
「見りゃ分かるで」
「はぁ、そうですか」
なんとか立ち上がるが、ケツが痛くて変な歩き方になる。
「謙也きもい」
「やかましいわ!」
「ぶ、はははっ!謙也うける、あはは、う、おえっ、げほっ」
「お、おい!白石!大丈夫か!?」
コンビニで買ってきたミネラルウォーターを渡すと、白石は一気に大量の水を流し込んだ。
「はー…」
「もっと死んどるかと思うたけど、意外と元気そうやな」
「ちょお回復したわ」
「そら良かった」
白石は元気そうで安心する。それから冷えピタ貼り直せだの、なんだのと色々雑用をやらされた。
「あ、ゼリー買うてきてん。食うか?」
「おん」
コンビニの袋から、ぶどう味のゼリーとプラスチックのスプーンを渡す。だが、白石は一向に受けとる気配がない。
「白石?」
「食べさせて」
白石は、あ、と口を開けて待つ。しょうがないので蓋を開けて、一口分、白石の口元へと運ぶ。白石はぱくっと食べて笑顔で美味いと言った。熱が出て、甘えんぼになっているのか。白石は一人でなんでも背負い込んでしまうところがある。普段はこんな直接的に甘えてきたことがないので、なんだか嬉しかった。
「今日は学校でおもろいことあったん?」
「おん、なんかな、ユウジと小春がうちのクラス来てな」
俺が今日学校であったことを色々話すと、白石はじっと聞いていた。
「楽しそうやな」
「楽しかったで。あ、でも白石おらんかったからつまらんかったわ」
「…」
白石はびっくりして少し悲しそうな顔して、ぎゅってしてやと両手を広げた。俺もそれに応える。
「謙也が来てくれると思わんかった。来てくれてめっちゃ嬉しい。おおきに」
ふわりと笑う白石がどうしようもないくらい愛しい。
「白石、ちゅーしてええ?」
「風邪うつるで?」
「ええよ、今更」
「せやな」
ふふ、と二人で笑ってどちらともなくキスをした。角度を変えて、何度も何度も。
「謙也、ホンマ好き」
「俺も」
白石の頭を撫でてやると、嬉しそうに目を閉じた。



気がつくと、俺達はぐっすり眠っていたようで、時計は十八時をとっくに過ぎていた。慌てて帰り支度を済ませる。
「白石、またな」
「謙也おおきに」
もう一度軽くキスをしてから白石の家を出た。その後、俺は風邪をひかず元気に過ごしています。白石が治りかけやったからであって、決して俺がバカやからとか言うわけではない。つまり、

甘えんぼの白石もええっちゅー話や!









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ぽんぽこ。様のもにか様へリクエストさせていただいたものです。

「どちらかが風邪を引き看病する」というシチュでリクさせていただきました*
白石と謙也が可愛くて可愛くて!
熱を出した白石のへにゃっと加減がとてもツボでした(^ω^)!
白石が風邪をひいたら謙也はきっとこんな風に看病してあげるんだろうなぁ、とか思いながら2828していました(´∀`)←

こんなに可愛い謙蔵は私にはもったいないくらいです(^///^)
ありがとうございました!

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