[携帯モード] [URL送信]

box
今年雪が降る日には(跡リョ)
(頂き物)




「ねぇ、寒い」
「そうだな」
「そうだな、じゃなくて。何?いきなり車から降りて」
「さっきも言ったろ。歩きたくなったんだ」
「だからそれが何なのって言ってんの」


そう、さっきまで俺は景吾が迎えに来た車にいつものように乗ってた。
そしたらいきなり景吾が運転手さんに“止めろ”って言い出して、この寒い中“歩くぞ”なんて言ってきて、今に至る。


ただ家に向かって歩いてるから、多分ほんとにたいした理由はないんだと思う。
だけど俺的には寒いし振り回されてるしで、なんか腑に落ちない。


「…寒い」
「…ったく、ほらよ」


だからささやかな反抗がしたくなって、寒い とずっと呟いていたら、繋がれたのは景吾の冷たい手。


「…あんたも寒いんじゃん」
「当然だろ。冬なんだからよ」
「…余計歩きたくなったの意味がわからない」
「うるせぇな。気分だ気分」


気分、ね。
…これだけの事で歩くのも悪くないな、ってちょっとでも思った自分が悔しい。


「…ほんと自分勝手だよね」
「お前も大して変わらねぇだろーが」
「俺のは唯我独尊らしいよ」
「余計タチ悪ぃじゃねーかそれ」


悔しいから、八つ当たりのように憎まれ口。
景吾からも同じような言葉。


何だか可笑しくなって二人で笑った。
繋がれた手はもう温かくて。


「…ねぇ、今年は雪降るかな」
「何だお前、寒い寒い言って雪は好きなのかよ?」
「別にそういうんじゃないけど。クリスマスに降ったりすればいいのになって思った」


去年までの俺なら全く思わなかった事。


「…そうだな。でも、違ぇだろ?」
「え?」
「クリスマスじゃなくて、お前の誕生日だろーが」
「…知ってたの?」
「当たり前だ。今までで1番最高の誕生日にしてやるから、覚悟しとけよ。アーン?」


寒くて嫌いだった冬も、
何とも思わなかった雪も、
誕生日も。


「…楽しみにしとく」


この人が隣にいるから、隣にいるなら。
今年からきっと何もかもが待ち遠しくなる。








今年雪が降る日には
(また手を繋いで歩く2人がいる。)















――――――――――――

「それでも君を、愛してる。」の刹月様からの相互記念小説でした!


冬っぽくて甘い感じというかなりアバウトなシチュを希望させていただきました(><;)

もうなんかリョーマが羨ましい太!←
私も跡部様に振り回され隊!!←
ぜひぜひリョーマには跡部様と甘い誕生日を過ごしてほしいと思います(*^ω^*)

とてもキュンとする可愛い小説ありがとうございました(*>∀<*)
改めて相互ありがとうございます(^^)/

そしてこれからよろしくお願いします(^ω^)


ひよこ。 葵

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!