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イルミネーション(蔵仁)





(*仁王誕生日企画)






12月4日20時16分




朝から皆に誕生日おめでとう、と言われてばかり。

祝ってくれるのはすごく嬉しいがちょっと疲れた。






「どうしたんだよぃ、そんなに急いで」



「ちとこれから用事があっての、それじゃ明日」



「お疲れー」




部活も終わり家に帰ってダッシュでシャワーを浴びて着替える

愛用している香水を付けるのも忘れずに。


ふと、時計を見ると待ち合わせの時間まで10分しかなかった




「ぅっわ、ヤバい。」




急いで家を出て見慣れた大通りを走る。

人の波を避けて待ち合わせ場所に着いた




「あ、れ?来とらん…?」




周りをキョロキョロと見回したがそれらしき人物はいない。


ふいに頬に暖かい物が触れた




「っ!?」




振り返るとそこには片手にコーヒーを持った俺の探していた彼だった。




「仁王君、5分遅刻やで」



「白石っ!」




ニコ、と爽やかスマイルを浮かべてコーヒーをはい、と渡してきた白石




「ありがと、遅れてごめん」


「ええよ、仁王君は特別に許したる」



「ぇ、あ、」



「プッ、仁王君めっちゃ可愛ええわぁ」



「わ、笑うなっ!」




「あはは、すまんすまん」




今日は俺の誕生日だから、と白石はわざわざ大阪から会いに来てくれた

お互い引退するまでの少ない部活動と受験に向けての勉強で忙しく、最近は会えてなかった為、いつもより俺はテンションが高い(と思う)





「でもやっぱ会えてめっちゃ嬉しいで」



「俺も。まさか白石がわざわざ会いに来てくれるなんて嬉しすぎじゃ」



「ははっ、喜んでもらえて何よりや」




一口飲んだコーヒーは温かくて、ちょっと苦かったけどやっぱり俺にはこの苦さがちょうどいい


(白石はココアか…お子様味覚じゃな)


俺の視線に気付いたのか白石が苦笑いをした




「今ちょっとお子様味覚やなーとか思ったやろ?」



「え、なんでわかったんじゃ」



「視線でなんとなく、な。ココアも美味いで?」



「俺、甘いのは「知ってる」え?」



「仁王君の事ならなんでも知ってるで。俺仁王君の恋人やし」



「…よくそんな恥ずかしいセリフ言えるの」



「仁王君の事好きやし」




なんか今日はいつもより甘い言葉言うの多い気がするんじゃが…まぁええわ。




「んー、人多いなぁ」



「イルミネーション綺麗じゃからな。毎年見に来る人多いんぜよ」



「な、仁王君。ちょっと歩かへん?」



「あぁ、構わんぜよ」




白石と話をしながら歩いていると大きな広場に着いた
広場の中央の大きなツリーと広場の周りの木々のイルミネーションがキラキラと光りとても綺麗だった




「あんまり人いないんやなぁ」



「そうじゃな。こんな綺麗なのに」



「ま、俺にとっては好都合やわ」



「え?」



「んーん、こっちの話。」




白石はそう言って何やらかばんをごそごそといじっている




「ちょい目ぇつむって」



「へ?あ、うん。」




白石の言う通り目をつむっていると左手を掴まれちょっとびくっと震えてしまった




「はは、大丈夫。変な事なにもせんから」




そして左手の薬指に冷たい物が嵌められた




「目ぇ開けてええよ」



「わ、ぁ…」




目を開けて左手を見るとシンプルなシルバーリング。



「雅治、誕生日おめでとう。ホンマ愛してる」



「し、らいし」



「名前、呼んで?」



「く、ら…蔵ノ介、」



「ん?」



「あり、がと…めちゃくちゃ嬉しい…」



「ちなみにほら、俺も。」


差し出された蔵の左手には俺のと同じシルバーリングが嵌められていた




「おそろい…」



「そ。ペアリング」



(うわ…どうしよう。泣きそうなんじゃけど。)



「安物で悪いけど数年後にはちゃんとした指輪、プレゼントするから」



「…蔵…。これ、大事にするぜよ」



「そうしてくれなきゃ困るわー」




ははは、と笑う蔵の笑顔を見ていると寒かったはずの身体がポカポカと暖かくなって来た気がした。




「なぁ雅治。」



「ん?」



「ずっと一緒におってな」


「…当たり前じゃ。」



















キラキラ光るイルミネーションが、


(俺達を祝ってくれてるような気がした。)


























*アトガキ*


HAPPY BIRTHDAY MASAHARU!
この後も白石に甘い言葉囁かれまくっちゃって下さいな!←
仁王愛してる\(^o^)/


10、12、4

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あきゅろす。
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