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エクスタちゃんの一日

元拍手文




「ただいまー」



「お邪魔します」




くらがかえってきた。

あら、おきゃくさんかしら?



(初めて見た彼は綺麗な金色の髪をしたいかにもスポーツマンって感じの人だったわ)



はじめてみるひとね
くら、このひとはだれ?



蔵の足にすり、と頭を擦り付けにゃおんと一鳴き

まるで言葉がわかったかのように蔵は私の頭を一撫でして答えた




「謙也って言うんやで
クラスと部活が一緒なんや」



「可愛ええなぁ。名前なんて言うん?」




わたし?
わたしは、




「エクスタちゃん」



「ぶはっ!なんやねんその名前」



「失礼なやっちゃな。
お前んとこスピーディーちゃんかておもろい名前やん」



「いやいやスピーディーちゃんはなー…」




かってにはなしをすすめちゃって…これだからにんげんは…
すぴーでぃーちゃんってだれかしら?

できればおなじねこがいいわね。



私が一人そう考える間、蔵と謙也は部屋に入って行ってしまう
すかさず私も閉まりそうになったドアをするりと通り部屋に入りこんだ。




「おっ、エクスタちゃん入って来てる、おいでー」



「エクスタちゃん気まぐれやからなー
ひっかかれんよう気ぃつけや」




あら、しつれいね。
わたしがいつきまぐれにあなたをひっかいたかしら?
そりゃまあわたしをおふろにいれようとしたときはひっかいたけれどね。

ああ、おもいだすだけでからだがふるえるわ。




「おぉ…ふわふわ…」



「珍しいなエクスタちゃんが初めて見る人に懐くの」


「そうなん?嬉しいわぁ」




謙也は蔵と違って猫を撫で慣れてないみたい。
ちょっと控えめに、優しく撫でる手はあたたかくて気持ちがいい




「ゴロゴロいってる」



「あぁ機嫌いいみたいやな」


「可愛ええー。こういうの癒されるわ」



「そろそろ俺も構ってや」



「え、」




あらあら。
わたしがいるのにだきしめあっちゃって。

けんやかおまっかよ




「え、ちょお、エクスタちゃん見てるから」



「ええやん別に。エクスタちゃんはちゃんと空気読める子やから。な?エクスタちゃん」




はいはい。
わたしがへやをでればいいのね?
わかったわよ




蔵が扉を開けて私が部屋を出る。
私は猫にしては頭いい方だと思うの。

扉だったら身体を使って閉める事だって編み戸なんて簡単に開けられちゃうわ



だから、ね。

とびらのむこうでいまどんなことしてるのか、これからどんなことをするのか、ふたりのかんけい。

ぜんぶ、ぜんぶわかってるのよ。




「ただいまー!」




あら、ゆかりちゃんがかえってきたわね。



私はゆらりと尻尾を揺らし主人の帰宅を出迎えた。












エクスタちゃんのとある一日。


(ま、くらがしあわせならわたしはかまわないわ。)
















11、1、14

エクスタちゃんとスピーディーちゃんはミュネタW
私の想像するエクスタちゃんはこんな感じ。



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