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とある海賊のお話(蔵謙)

(海賊パロ!捏造有り!)








「いっ、」



「すまん。大丈夫か?」




消毒液独特の匂い漂う医務室。
横腹に巻かれた包帯が若干キツくて息苦しい




「っああ、大丈夫や。」



「動くと傷が開く。
今日、明日は大人しくしとくんやで」



「りょーかい」




おおきに、と一言告げて部屋を出た

銀の言う事を破った日にはこの船の船長に偉い目に合わされる
たとえそれが怪我人だとしても、だ。












部屋を出るとむわっ、と微かに血の香り
もうこんなもの慣れてしまえばなんともない。


(お、光発見)


甲板に見慣れた姿を見つけ、駆け寄る。




「おう光、怪我の具合は?」


「ああ謙也さん。別にたいした事ないっすわ。謙也さんは?」



「今回はちょっと油断しとったからなぁ。ほら、この通りや」




苦笑してシャツを開き巻かれた包帯を見せる
うわ、という声とともに顔を逸らす光

ん?と不思議に思い横腹をみると赤く染まった包帯




「うわ、もう染みとる」



「シャツ、閉めて下さい」



「ああ、悪い悪い。
相変わらず光は血ィ駄目やなぁ」




そういえば昔は海賊のくせに、とからかわれていたな、なんて昔の思い出が蘇る

今考えれば光も成長したものだ。




「あ、そういや船長呼んどりましたよ」



「蔵ノ介が?」



「部屋で待っとる、て言っとりました。」



「おう、ありがとさん」







光の怪我もたいしたことなかったみたいだし他の仲間も重傷は負ってなかったようだ
良かった、という意味でため息をつき、目的の部屋に着く



コンコン、と二回ノックをすれば彼の声。





「誰や?」



「俺、謙也や」



「どうぞ」




許しが出たので扉を開ける
どうやら何枚かの書類に目を通していたようだ。

(多分、今回奇襲をかけてきた海賊の手配書)




「謙也、傷は?」



「あー…たいしたことないで」



「嘘」




近寄られするりとシャツをたくしあげられる




「重傷、やな」





じとり、という嘘をついたな?
という瞳

それと、心配している瞳。



「こ、今回は油断しとってん」




頬を掻く手にはまだ血が少しついていた

白石は小さくため息をつく



「いつも言っとるやろ?いくら無名の海賊だって海賊は海賊や。」




「…おん」




「謙也は、」



「ぅ、わっ」




ぐいっと腰に回された腕を引かれ、前に倒れ込む

一瞬傷がずきりと痛んだけれどそこは我慢。


後ろがベッドで良かった、とほっとするのも束の間。

手の甲にキスをされる




「謙也は俺の恋人なんやから」



「…」




それはどういう意味だろうか。
恋人だから黙って守られとけ、なんて意味だったら一発殴ってやる


俺だって、海賊だ。




「謙也にはホンマはこんな事、してもらいたくない」



声のトーンが下がり、俯く白石



「…蔵、俺だって海賊やで?
それに今、俺楽しい」



「ホンマか?」



「この目が嘘ついとるように見えるか?」



「見えない」



「やろ?だからええねん。俺は蔵と、皆と居られて幸せや」



「謙也…」




ぎゅう、と抱き着いてすぅっと大好きな人の匂いを吸い込む




「謙也」



「なん?」



「しよう」



「…俺、怪我人」



「優しくするから」



「…」



「な?」




海色の綺麗な瞳がギラリと光る

俺は仕方ない、と懐に入っていた愛用の銃をサイドテーブルに置いた。
















色の瞳に吸い込まれる


(ここからは大人の時間)






















*アトガキ*


リハビリ2
最近、某海賊漫画がアツいのでつい(^///^)


11、3、7

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