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ため息と幸せ(光←謙)




「はぁ…」




最近、俺はよくため息をつくようになった

理由?
これ、目の前にいる、こいつ
(やと思う。)




「なんすか、ジロジロ見て」



「あー…いや、なんでもない」



「変な謙也さん。
いや、いつもか」



「なんやて?」



「なにも?」




惚けたふりして携帯をカチカチと弄る目の前の後輩
携帯ばっか弄りよって、これやから最近の若い奴は…じゃなくて


(やっぱり、変や)


光を見る度に、胸が苦しくなってモヤモヤして、なぜか鼓動が速くなっていく


今じゃ、ふと光が頭ん中に浮いてきて勉強にもテニスにも集中出来なくなるくらい

受験を控えた俺にとって勉強に集中出来ないなんて、とてつもなく困るわけで…










「恋ちゃう?」



「は?」



「やから、恋」




なにを言ってるんですかこのエクスタ部長

勉強を教えて、と白石に頼んで現在、白石宅にお邪魔しております。




「別に俺は男好きになったっておかしくないと思うで」




ノートにすらすらと綺麗な文字が書かれてゆく
(俺とは大違いやな)




「いやいやいや、おかしいやろ」



「今どうこう言ったってもう好きなんやろ?遅いやんか」



「別に好きとちゃうわ」



「嘘」



「嘘やないし」



「はいはいわかったわかった。ほらここ間違えとる」



うまく丸め込まれた気がするけど今は勉強に集中せねば、とシャーペンをもう一度握り直した

















「疲れたー…」




教科書がずっしりと入った鞄を置いて、制服のままベッドにダイビング

制服にしわがつくとか、今はどうでもいい。




「あれ…」




携帯のディスプレイに見慣れた名前
出ようとしたら、プチッと切れてしまった




「なんの用やろ」




あ、まただ
ただ電話がかかって来ただけなのに

また、ドキドキしてる



はっと我に帰る。

(な、なにがドキドキや。アホちゃう?す、好きとかありえんし)



電話を折り返そうと、電話帳から名前を探して通話ボタンを、




「っ……はぁー…」




押せなかった。




「ああもう、なんなんや」



また胸が苦しくなって、鼓動が速まる。

この感じが、なぜか嫌で。

ボフン、と枕に赤くなった顔を埋めて気を紛らわした





ため息をつくと、幸せが逃げると言う。


(もしそれが本当で、もしこれが恋なんやったら)



光、






















責任とってや。

(不幸せになった分幸せにして)




















*アトガキ*


小説書くの久々すぎていろいろ中途半端だけど許して!


11、2、11

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あきゅろす。
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