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雨あめ降れふれ(蔵謙)





「白石ー」



「んー?」




日誌に今日の部活の活動状況をすらすらと書く左手を止める事なく、謙也の言葉に答える




「傘持っとる?」



「んー…」




あ、間違えた。




「白石?」



「あぁ、ごめん。持っとらんけどどないしたん?」




消しゴムで間違えた部分を消して、また書き直す

目線は日誌に向けたまま俺は答える




「雨降っとる」



「え」




顔を上げて窓から外を見ると困った顔をした謙也と雨が降るコートが見えた


傘なんて、持ってない。




「今日、降水確率10%以下やなかったっけ」



「わからんけど朝晴れてたから傘持って来とらん。最悪ー」




はぁ、とため息をついた謙也は既にしょっていた鞄をどすん、とベンチに置いた



「あーあ、酷くなってきたなぁ」



「ホンマや。明日までにコート渇くといいけど」



「やないと金ちゃん駄々こねるし」



「謙也が走って転ぶやろうしなぁ」



「やかましいわ」




頬を膨らましてぷいっ。
まるで小さい子供みたいで可愛い


(あ、ちゅーしたい)


なんて言ったら謙也は顔を真っ赤にして、部室から出てってしまうだろうから言わないけど。




「謙也」



「なん?」



「ちゅーしたい」




あ、言っちゃった。




「あ、あああアホかっ!」



「謙也顔、真っ赤」



「う、うるさいっ」




ぎゅってして、腕の中に閉じ込めて、ちゃんとこっちを向かせて、好きって言って、キスしたい。

そんな感じ。




「謙也、謙也」



「…なに」



「ちゅー、しよ?」




俺が優しく笑ってとびきり甘い声でそう言えば謙也は必ず、言う事を聞いてくれる

それを知ってる俺は、ちょっとずるい。


でもいいんだ。
謙也も嬉しそうにしてるから。





「好き」



ちゅ



「好きだよ」



ちゅ、ちゅ






ああ、























さん、雨さん、


(もうちょっと降っていて)






















*アトガキ*


3-2はちゅっちゅしてればいいと思った
それに比べて光謙→謙也泣いてればいいよ

この差はなんだww


11、1、27

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あきゅろす。
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