[通常モード] [URL送信]

box
サプライズ(幸リョ)




誕生日にサプライズで家に来るとか、

ツリーの下で誕生日おめでとう。って言われながらキスされる、とか


よくドラマとか漫画でありがちな事

そんなありがちな事を俺達は出来ない。


あの人は忙しいし、なんせ神奈川と東京。
連絡をとってすぐに会えるような距離じゃない


外でキスとか俺が恥ずかしいどうこうの問題じゃなくて俺達は男同士だからそんな事、外で出来ない。



とか思いつつそういう事ができるカップル達を羨ましくも思ってる自分がいる




「こんなの…俺らしくない。」




ぽつりと一言呟いて布団を頭まで被った


時計の秒針の音が眠気を誘い、俺はすぐに夢の世界へと堕ちていった

















「ん、ぅ…」




頭を優しく撫でられる感触に目を覚ます。



「おはよう」



「……、?」



「ふふ、寝ぼけてるのかい?可愛いね」




あ、れ?




「…なんで、いんの」



「君に会いに来たんだよ」



「…は?」




布団を被って横になったまま俺がそう言うと、幸村さんは俺の布団を勢いよくはいだ

冬の冷たい空気が一気に身体に触れて思わずぶるっ、と身体が震える




「さ、むい。布団返して」



「だーめ。布団返したらまた寝ちゃうでしょう?」



「だってまだ8時だし」



「まだ、じゃなくてもう8時。ほら起き上がって」




早く、と急かされて渋々ベッドから降りる。




「なんで俺の部屋にいるのさ」



「君のお姉さん?リョーマさんならまだ寝てますよ、って言って部屋に入れてくれたんだ」



「菜々子さんか…はぁ。」



菜々子さんは姉じゃなくて、とか説明すんのがめんどくさくてさっさと着替えた

着替えてからリビングへ入るとテーブルの上に一枚のメモ用紙

(もちろん着替えてる時、幸村さんには廊下で待っててもらった)




「……」



「なんて?」



「母さんと菜々子さんは出かけるから朝ごはんは外で食べろって」



「お父さんはどこに?」



「さあ。またどっかで女の人観察でもしてんじゃない?」




上着とマフラーを部屋から取って来て準備万端。
おっと、忘れちゃいけない、手袋も。




「そんなに寒いのかい?」


「まだ寒い。」





玄関でこんなに寒いんだから外はもっと寒いに違いない

考えるだけで寒くなってくるような気がした




「ていうか会いに来たって、なんで?」



「なんでって…今日は君の誕生日だろ?」



「…」




(ああ、そっか。)

(会いに、来てくれたんだ)



「?」



「…寒い。あそこ入ろ」




ごまかすように適当に入ったカフェは暖房が効いていて暖かかった

別にお腹空いてないしカフェオレを頼んだ
(ファンタないし。)



しばらくすると頼んだカフェオレと幸村さんが頼んだコーヒーが運ばれて来た




「飲まないの?」



「俺猫舌だから」



「可愛い」



「…別に可愛くないし」




…顔が熱いのは暖房のせい、暖房のせい。




「で?どうするの?」



「どうするの?とは?」



「幸村さん来たはいいけど何すんの?観光?」



「観光って…一人でしないよ。それに今日は君の誕生日なんだ。行きたい所とかあるかい?」




目を細めてくすくすと笑う幸村さんはまるで絵画から出て来た人物のようだった、て俺なに考えてんの。




「……特にない」



「んー…じゃあぶらぶらしよっか」



「…うん」




もうだいぶ冷めたであろうとカフェオレを一口飲む

油断してたみたいでまだ熱かったカフェオレのせいで舌をちょっと火傷した。







その後カフェを出て適当にぶらぶらした。

街はカップルがたくさん歩いてて、ちょっと複雑。


(俺と幸村さんはどんな風に見えてんのかな)




間違っても恋人同士には見られないし…じゃあ…兄弟とか?
ありえる。

はぁ、とバレないように溜め息をついた。






よく知った裏道にはノラ猫が居て、触ってたりしてる内に辺りは薄暗くなっていた




「うわ、結構長く触ってたみたいだね」



「日が落ちるの早いから。そんな時間経ってないんじゃない?」



「……あ、ホントだ。」




携帯の時計を見ていた幸村さんの隣からチラ、と待ち受け画面が見えた


立海のレギュラー全員の写真だった。



(やっぱり、俺より仲間の方が大事なのかな)



俺の視線に気づいた幸村さんが俺を隣にぐいっと引き寄せた




「な、」



カシャッ



「待ち受け、変えるね」




俺が考えてる事、全部お見通しみたいだからちょっとムカつく。

けどやっぱ嬉しい。




「暗くなってきちゃったね。イルミネーションが綺麗だ」



「ホントだ…」




木々に飾り付けられた電飾がキラキラと輝いて、とても綺麗。




「久々に会えて良かったよ」



「え?」



「大会終わってからお互い忙しくて会えなかっただろう?だから君の誕生日は絶対に会うって決めてたんだ」



「なんで教えてくれなかったのさ」



「サプライズだからね。教えてしまってはサプライズにならないだろ?」



「…まぁ。」



「ああ、ホント、」



「え、ちょ、」




ぎゅう、と抱きしめられて幸村さんに触れてる部分が一気に熱くなった気がした




「ちょ、ここ、外なんだけど!」



「リョーマが静かにしてれば誰も気付かないよ」




わざと耳元でしゃべってるな、と思った

(…耳弱いの知ってるくせに)




「ずっとずっと会いたかったよリョーマ」




耳元で、甘い言葉。
ぞくり、と甘い痺れが身体を走る。




(こんな日くらい素直になってもいっか)




「俺も、会いたかった」




幸村さんの背中に腕を回すとより一層強く抱きしめられた




「誕生日おめでとう、リョーマ
これから先もずっと愛し続けるよ。」




ツリーの下で誕生日おめでとう、と言われながらキスをされた。

優しくてあったかい気持ちになるようなキス

(まるで幸村さんみたい、なんて。)





俺が羨ましいと思ってた事、出来ないと思ってた事を幸村さんはしてくれた。


それがどんなに嬉しい事か、この気持ち、アンタにも伝わればいいな。

























を誓う


(離れていてもちゃんと繋がってるから。)























*アトガキ*

なんじゃこりゃ(^p^)
焦りすぎてかなりいつも以上に意味不明な内容だW

リョーマ誕生日おめでとう!


10、12、24

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!