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会っちゃった(仁+謙→蔵)




「あ」



「あ」





詐欺師に会いました。


















「……」



「よ、よぉ」



「………」




む、無視かい!
気まずいけど頑張って話かけたのに!




「…ほ、ほな。」




沈黙に耐えられず来た道を戻ろうかと思い回れ右をした。

が、右手をガシリと掴まれ動けない。




「…忍足、ちょっと案内してくんしゃい」




(しゃ、しゃべった…)

そりゃまぁ喋るのは普通やけど。






日曜日、新しい服でも買いに行こうかと思って外に出た

白石とか財前とか誘ったけど用事があるらしく駄目やったから仕方なく1人でぶらぶらしとったんや。


そんで行きつけの服屋に向かう途中の道でばったり会ってしまったのだ。


仁王雅治に。







「あ、案内?」



「そ、案内。
今日は遠征でな、ここに行きたいんじゃが…」



「あー…」




差し出された地図にはここから電車で15分くらいの所に目的地があった。




「ここに向かうなら…確か電車をー、」



「え」



「え?」




何?
俺なんか変な事言った?




「着いて来てくれないんか?」



「は、」




え、それ前提?








仕方なく一緒に電車に乗る事に。


(俺って優し…いやお人よし?)


電車賃は仁王が払うって言うからお言葉に甘えた





「……」



「……」



(気まず…)



「なぁ」



「な、なん?」



「もしかして今日ってなんか予定とかあったんか?」


「ま、まぁ一応。服買いに行こう思うててん」



「すまんかったの、予定潰して」



「ええよ。服なら来週にでもまた買いに行けるし。」


「そうか」



「おん」



「……」



「…仁王ってさ」



「ん?」



「つ、付き合っとるヤツとかおるん?」



「……」




や、ややややばい
地雷踏んだっぽいんやけど
ちゅーか何て事聞いてんねん俺!




「…いないぜよ」



「え?ホンマ?」



「本当。」



「そ、そうなんや…」



「でも」



「え?」



「好きなヤツは、いる」





そう言った仁王の頬は心なしかピンク色に染まってた。
コイツも詐欺師とか言われとるけど実際は普通の恋する中学生男児なんやなぁ、とか思ったり。



そんな事考えてたら電車が目的地の近くの駅に着いた。









「そしたらここをこう行ってー…あ、もうわかる?」


「おう、お前さんのおかげで助かった。ありがとな」



(おぉ、詐欺師の笑顔。
貴重かも、なんてな)



「それじゃ」



「あ、忍足」



「なん?」



「コレ」




そう言って渡されたメモ用紙。




「俺のメアド。気が向いたらメールしんしゃい。
情報そろえとくきに」



「情報?」



「白石の。知りたいじゃろ?」




ニヤリ、本当にそんな感じで笑った仁王は顔を真っ赤にした俺にこう言った。




「お互い、頑張ろうな。」




なんや、コイツ普通にいい奴やんけ。
























でもなんで


(俺の好きなヤツ知っとんねん)

















*アトガキ*


仁謙もいいかなーと思ったんだけど今回はあえて友情系で^^

仁謙いつか書きたい!


10、12、20

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あきゅろす。
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