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レイン(82)




「すごい雨ですね…」




午後9時45分
外は土砂降り

まるで、誰かが泣いてるみたいに。



昨日から自分以外の家族は旅行に出ていた

静かなリビングに雨音が響く






ピンポーン





チャイムが鳴った

(…こんな時間に誰でしょう…?)



不思議に思いつつチェーンをかけてから扉を開けた




ガチャリ




「…やぎゅ…」



「に、仁王君!?どうしたんです、こんなに濡れて…中に入って下さい!!」




扉を開けた先にはずぶ濡れの仁王君が立っていた


心なしか身体と声が震えていた


チェーンを急いで外し彼を家の中に迎える




「とりあえずお風呂に…」



「、やぎゅう…風呂はええから…」



「仁王く、ん…?」




私に抱き着いてきた彼の身体は冷たく、そして震えていた




「……仁王君、このままじゃ風邪をひいてしまいます。服とバスタオルを持って来ますね」




とりあえず身体を拭いて服を着替えさせた

(その間、彼はなにもしゃべらなかった)




「…どうしたんですか?こんな時間に」



「……」



「黙っていてはわかりませんよ」



「…………喧嘩した」




彼はポツリと小さな声で呟いた




「喧嘩?誰とです?」



「………親と。
…テニス…やめろって」




前に聞いた事がある。

仁王君のご両親は厳しいらしく前にも部活をやめろと言われた事があるらしい




「…成績…、下がったから」



仁王君は別に成績が低いわけではない
むしろ頭がいいのだ

最近は大会が近くて忙しく勉強なんてやっているヒマがなかった




「…どうしよう…柳生、俺…部活辞めさせられるかもしれん…」



「…仁王君…」




再び抱き着いてきた仁王君の背中に腕を回した

そして背中をさすってやる



「大丈夫…、大丈夫ですよ仁王君。」



「…でも…、」




震えは止まったが不安は残ったままらしい仁王君は私の腕の中から顔を上げた

(上目遣いは結構キますね…)

なんて、紳士的じゃない考えが一瞬頭をかすめる




「柳生…?」



「…私は仁王君と離れるつもりなんてありませんし仁王君を離すつもりもありませんよ。」


「……」





今までずっと仁王君とダブルスを組んで来ていた

互いに変装するためにお互いの事を知り尽くした

今さら離れるだなんて考えられないのだ





「それと、」



「?」



「仁王君を悲しませるような事を言うなんて仁王君のご両親には感心しませんね」



「…ゃぎゅう…、」



「私は、貴方の見方です。」



私がそう言うと彼の瞳から涙がぽろり、と流れた




「好きじゃ、…柳生。
俺の事、離さんで…」



「ええ、もちろんです」
























空と君は、を流した

(あぁ、早く泣き止んでおくれ。)























*アトガキ*


よくやく書き終わった…!!
なんか…ね、うん。
まぁツッコまないで下さい(笑)←


10、10、27

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