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なぁ、(蔵謙)

※俺を嫌って?(蔵←謙)の続きです


















謙也は、泣いていた。























「謙也っ!!」




慌てて追いかけるがスピードスターに追い付く訳もなくどんどん差がついていく



(くそっこのままじゃ…!)


そう思った瞬間、謙也は



どてーん



と、いう擬音が似合うような転び方をした






「…」



「……」




暫しの沈黙が流れた




「ぅ、ひっ…く」



「…謙也、立てるか?」




差し出した手を見た謙也は涙をぽろぽろこぼしながら頭をフルフルと振った

足をくじいてしまったようだ




「背中、乗り。」




謙也は素直に白石におぶられた
歩いている間も謙也はずっと声を押し殺し泣いていた



















「これでもう大丈夫や」



「…おお、きに…」




擦りむいた膝には絆創膏
足首には湿布を貼ってあげた




「……」



「……」




「「…謙也」「…白石」」



「「あ、…」」




「…先、言ってもええ?」



「あぁ…」



「ごめん謙也」



「え…?」



「詳しい理由はわからんけど俺のせいで泣いたんやろ?」



「……しらいしっ」




謙也は立ち上って俺に抱き着いてまた泣き出した




「謙也?」



「ちゃ、う……ちゃうんや」


「何が?」



「ぅっ、ひっく…ちゃうぅ」


「謙也、言ってくれへんとわからんよ」




泣きながら言う謙也に子供をあやすような口調で言った




「白石はっ、わるく、ない!俺が、俺が悪いんやぁ…」


「どうしてや?」



「お、れが…っ俺が我慢、すれば…っひぅ」





嗚咽混じりに言う謙也
話が見えない


(我慢?何をや?)






「謙也は何を我慢しようとしてたん?」



「しらいしに、触らないようにっ…しら、いしと二人きりにならないようにっ」



「どうして?」



「白石のことっ、もっと好きになってまうから、やから、」




謙也が言い終わる前に俺は謙也を抱きしめた




「謙也、」



「しらい、し?」



「好きや」



「…は?」



「お前のこと、好きや」



「…っ」



「今までいろいろ我慢させてごめんな」



「…っひっく、うぅ、しらいしっ…
おれも、俺も好きやっ!」




「謙也…顔あげて?」










顔を上げた謙也。
瞳は涙で潤み、少しはれていた

涙に濡れた頬に1回
泣いてはれた目元に1回




























最後はそのくちびるに、

(口づけを。)





















(大好きや、謙也)



(俺も。大好き)














*アトガキ*


なんとなく始めたモノ

つき合うまでは切なめだけど付き合ってからは甘ーい2人(^^*)

お付き合いいただきありがとうございました(・ω・)

10、10、16

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