不幸の始まり!?
キス
チュ…―――
それは軽くリップ音が鳴る位の軽い軽い羽の様なキスだった。
あぁ…
綺麗な顔が目の前にあるなぁ等と場違いな事を考えた。
唇は一度軽くくっつくと直ぐに離れていった。
綺麗な顔が遠くに離れた事で、今何をしたのかを瞬時に物語る……。
え……え?
い、今…き…キスしちゃった!?
ま、まてまて…
俺、初チューなんだけど!?
頭ではパニック起こりまくり。
でも、さっき自分はキスされると直前までわかっていたのに何故か目を逸らせなかった。
いや、逸らしたくなかったのかもしれない……。
それはあの懇願にも似た声を聴いたからか、それともあの微笑んだ顔を見たからなのか……それは分からないが、拒絶をしなかったのは紛れもない、奏自信だった。
目に見えてパニックになっている奏を見て、悠真は笑む。
う…わ…。
やっぱかっこいいんだ……。
真っ赤に顔を染めてしまった。
「やっぱ、可愛い」
その笑んだ表情のまま、手を伸ばし、奏の頬に再び手を宛てる。上下に擦り、そして唇に人差し指を持っていき、唇をなぞる。
な…な…な…なんなんだ!?なんでこんなピンクオーラ!?え!?まってまって!これ本当に木崎悠真?あの不良が…こんなピンクオーラだしてんの!?
そして何で俺は言葉や仕草に赤くなるんだ―――!!!
で…で…でも!
な、なんか仕草とかエロいんだって!!慣れてない俺には刺激が!!
頬を擦ったり、特に唇なぞる時とかなんか!!なんかエロい!!そんで、極めつけあの言葉っ!
な…なんだよ!
可愛いって………。
そこで、ボンッと効果音が鳴るぐらいに顔が赤く染まった。
は…ハズイ!!
なんで俺だけこんな恥ずかしがってんの!?一番恥ずかしいのは木崎悠真だろ!?でも、当の本人は至って普通だ。
あれか…経験値の差か!!くそぅ…
「…顔真っ赤」
クスリと笑われてまたもや顔が赤くなるのが分かる。
だってそうだろう?普段笑わない人が笑えばその破壊力…は凄いもんだ。
「――――っ//」
なんだってこんなに顔が火照ってんだか分からない。
「林檎みてぇ。――――…」
林檎みたいと言われて、その後に耳元に唇を寄せて囁かれた言葉。
『食べたいぐらいだ』
その言葉を聞いて、顔を真っ赤にしている余裕もなく、もう一度啄むようなキスを落とされた…。
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