不幸の始まり!?
チキンな俺には…
『好きだ』
確かに目の前の人はそう仰いました。
確かに…いくら平々凡々に生きてきた俺でもドキドキわくわくする告白なんて何回も夢みてきた。
屋上で告白。
ロマンがあるな。
でも…さ。
それは相手が女の子の場合。
でも目の前に居るのは男で…不良さんで…。
どうせ男ならもっと普通の男の方がいいに決まってる
有り得ないだろ。
不良さんが平凡な奴に告白とか…
しかも男だぞ!?
しかもさ…君は顔が美形なんだ。
女の子には困ってないハズだろー!?
なんだよそれ!!
嫌がらせか?
新手の苛めか?
平凡を苛めて何が楽しい!!?
…と、心の中では文句垂れ流しだが実際不良さんを目の前にしてさっきまでの文句は言える訳もなく…足はブルブル震えるし、半泣き状態だ。
…くそぅ。
なんだって俺はこんなにチキンなんだ!!でも…!!
目の前に居る奴怖いんだって!!!
立ち向かえる奴居たら拍手してやるよ!
「で?」
「……え?」
な…なんだ?
次はなんだ?
こいつは何を求めてるんだ?
「…チッ」
ヒィィィイ!!!
い…今舌打ちしたよな?したよな?
え?何?
今の俺が悪かったのか?ってかいきなり『で?』とか言われて話通じる訳ねぇよ!!逆ギレですか?
「返事…くれねぇのかよ」
少し眉間に皺を寄せて言ってきた。
返事…あぁ告白のですか。
ってかマジなんですか?もういっそギャグと言ってほしい。
返事はそんなの考えるまでもない!!
勿論答えはノーだ!いくらチキンな俺でも断る事は出来る…ハズ。
いや…でも…断ったら俺どうなるんだろうか?
まさかボコられたり…なんて。
はは…マジで笑えない。
男だろ!!
断れ!!よしっ!!
「あ…あの…ご…ごめんなさ「あ゛?何か言ったか?」…いえ。何も…言ってませ…ん」
こ…こいつ絶対わざとだ。
ど…どうしたら…。えぇい!もう一度勇気を出せ!!
一気に言って直ぐに逃げればいいんだ!
「あ…の!!ごめんなさい!!!」
そして逃げ…―――ようとした。
ガシッ――
不良さんに腕を掴まれてしまいました。
俺…なんだか本気で泣きそうです。
マジで。
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