弱ペダ小説 モーニングコール(東巻) 朝、いつもより早く起きて携帯を確認する。まだ相手からのモーニングコールがないと分かると、急いで電話を掛けた。 こちらからのモーニングコールは初めてだったため、少しドキドキしながら端末を耳にあてた。 1コール…2コール…3コール… でない。まだ寝ているのか。もう一度掛けるがやはりでない。 むしゃくしゃしたままベッドに寝転がり、目をつぶった。本当は掛けるつもりなんてなかった。ただ、昨日金城に言われた、『たまには、積極的になってみるのもいいんじゃないか?』という言葉が引っかかっていたのだ。 まぁ、掛からないものはしょうがない。相手が掛けてくるまで寝て待つか。 *東堂* 朝、携帯の着信音で目が覚めた。いつもと違う朝に戸惑いつつも、取り敢えず相手を確認する。 画面に表示される『巻ちゃん』の文字。今すぐにでも出たかったが、俺にはどうしても出られない理由があった。 昨日、荒北に、『たまには引くこともおぼえろ』と言われた。あまり積極的すぎても嫌われてしまう。ここは我慢だ!俺!! だが、電話は直ぐに切れてしまった。俺が電話に出なくて心配している巻ちゃんの顔が目に浮かぶ。 折角巻ちゃんがモーニングコールをくれたというのに、それに応えないのは最低だ。俺はすぐさま携帯を手に取ると、巻ちゃんに俺からのモーニングコールをした。 すれ違う心は、どちらかが止まり、どちらかが追い掛けることによって、結ばれる。 クロス様リクエストの東巻です。リクエストありがとうございました。 [*前へ][次へ#] [戻る] |