LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
甘いの。だけど。
「痒いとこねーか…」
「えっと…はい」
善に無理やり入れられた風呂だが、
髪を大量のシャンプーと共にごしごしと乱暴に扱われる。
だが、心なしか指先が優しく触れているような感覚になる。くすぐったいような心地いいような。
「悪かった」
「え?」
思わず、振り向いてしまった。
そおには今まで見たこともないような善が
切ない顔でれおを見ていた。
だが、振り向いたれおを見た瞬間、
ぐいっと体ごと向かされ性急なキスを
しかけられる。
離れがたそうに何度も何度も触れ合うだけの
キスを求める善に胸が締め付けられる。
−苦しい。甘いキスなのに…
好きっていう感情じゃなかったはずなんだけどなぁ。
「お前は…不思議な生き物だ」
「生き物って…」
−まぁ、一応人間なんで。そんな風に壊れ物みたいに扱わないでください。先輩…
ダメです。
好きになんてなりません。
どんなに甘やかされても、
僕が欲しいのは
そんな
甘い、甘い
恋じゃないんです。
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