LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
そんな君だから
「あの…なんですか?」
「なにが」
−わざとなの?『なにが』って気付いてないフリ?何がしたいんだろう。やりにくい。
穴が開くのではないかというほど柱に寄り掛かりながら見つめる善に妙に緊張する。
「あの、見られてるとやりにくいんですけど…」
「俺の勝手だろ。見たいから見てる」
「…じゃあ、いいです」
やめろと言ってやめる人間じゃないことは数日しか一緒に過ごしてなくても分かった。
しかし、見つめている瞳が熱っぽいのは否めない。
「出来ました。部屋で飲みますか?」
「…お前は?」
−リビングで息抜きに飲もうと思ったけど部屋に戻りたい。
面倒なことになりませんように…と念を込めて善の目を見て言った。
「部屋で…飲もうかと」
「駄目だ。一緒に飲むぞ」
−まぁ、そうなるよね、この雰囲気だと。
ソファに2人で腰掛け、テレビの電源を付ける。
夕方やっている番組といったら子供向けの戦隊物かニュースがほとんどだ。
何か面白い番組はないかと、カチカチとチャンネルを回していると戦隊物ではなく音楽番組が放送されていた。
−あ、観たい。
ブチッ。
早速、番組に入り込もうとリモコンをソファの前のテーブルに置いた正にその瞬間、善が長い腕を伸ばし電源を切った。
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