LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
U
「…先輩?」
ふと目を覚ますと隣にいたはずの善はすでにいなかった。
−またいない。他の男のとこかな。…お腹空いた。
もぞもぞとベッドから降りるとベッドサイドにメモを見つける。
『よく寝てるからそのままにする。夕方には戻る。メシは待ってろ』
−本当、俺様だなぁ。…暇だし。勉強でもしよ。
れおが善の部屋から出るとリビングに暖かい光が差し込んでいた。時刻は昼も近く眩しさに目を細めていると突然ドアが叩かれた。
「はい。どちらさま?」
リビングにかけてあった善のスエットを履き、適当にシャツを羽織って扉を開けると綺麗な顔の少年が立っていた。
−えっと誰だろう。綺麗な人だけど。
「善は?」
「えっ…と」
色白で綺麗な肌、きりりとした眉に色っぽい唇。
口元にある黒子が余計に色気を増長させている。
「善は?」
「先輩は…いないです」
「それ、善のだよね?何でキミが着てるの?…抱かれた?」
するりと綺麗な手で頬を撫でられ奇妙な嫌悪感が巡った。
「…あなたに関係ないと思います、けど」
「へぇ。あのさぁ、キミ勘違いしない方がいいよ。俺以外にも善は抱いてるから」
−そんなこと知ってる。何でこの人にそんなこと言われなきゃならないんだろう。
「おい。何やってんだ滝山」
「…宮沢。そう、キミがバックにいるんだ。面倒だね…まぁ善もいないみたいだし、もういいや」
そのまま滝山と呼ばれた少年は葵の横をすり抜けて立ち去った。
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