LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
U
「お友達…?」
「えぇ」
春貴の優しい笑みに少し安心したのか彼女は自身を優奈の母だと認めた。
「優奈ちゃん、もう、いいでしょ?ママを困らせないで…」
「ごめ…なさッ…マ、マ…ごめん…な、さ…い!」
「優奈ちゃん!ママの言うこと聞けないの?こんな…男の子ばかりの学校に勝手に入学するなんて…」
「い、やだ…。僕はもう、ママのお人形じゃない!」
「な、に言って…。ママからパパを盗った淫乱が!!貴方なんて…男なんて産まなきゃ良かった!!」
ヒステリックに泣き叫び、優奈の母親は背を向け車にのり去った。
−まぁ、問題は山積みだけど、とりあえず一件落着?
「ごめんね、春貴くん」
「いや、天宮が気にすることないよ」
「僕は、あの人が僕を許せないの分かってるから…
少しでも離れようとしたんだけどな…」
顔を真っ赤にさせ、ぽってりと腫らせた瞳からボロボロと涙がこぼれる。
春貴はポケットからハンカチを取出し、その痛々しい雫を拭い、そのままハンカチを手渡した。
「ありがとう」
「あのさ、一応頼まれたからずっと天宮の側にいたけど…」
春貴の言葉が終わりを迎える前に優奈は口を開いた。
「僕、友達いないよ。女の子みたいだし、何より…そういう意味で男を惹き付けちゃうみたいだから」
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