LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
U
「忘れていいよ」
「え?」
「今のキスも告白も。
…忘れよう
お互い」
「お、互い?」
「うん…」
そう言って、臣は目を伏せた。
コンコン。
キスの後、罰が悪そうに眉間にしわを寄せた臣。
ゆっくりと春貴と距離を置き部屋を出ていく。彼を見ていた春貴は夕飯のことを思い出し、臣の後を追った。
そして、今れおの部屋の前にたどり着きノックしたのだ。
『…誰だ』
中からは、れおのルームメイトの3年のものと思われる声が聞こえてきた。低く、暗い声だった。
「松本くんと夕飯食べる約束してたんですけど。あの…」
臣はおそるおそる声をかけた。
『今取り込み中だ』
『…ッごめん!お腹いっぱいだから2人で行って!!』
『だとよッ!』
『あ…あん!は!…ごめんねッ!!』
れおの喘ぎにも似た声が聞こえ、春貴は真っ赤になりながら分かったとだけ言い、食堂へ向かった。
−はぁ…僕の学校生活どうなるんだろう。
不安ばかりが募ってく…。
約束したのに。
父さん、
姉さん…
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