LOVERS OF INFINITE COLOR
桐ヶ峰学園
U
「んじゃあ、今から学級委員を決める。俺の雑用がかりだ。…やりてぇ奴は手挙げろー」
−雑用がかり…口外したら誰もやらないだろ…って、えぇ!? 何で!
雑用など面倒なこと誰もやらないだろうと思っていた春貴だがクラスの何人かがちらほらと手を挙げていた。勿論、全員と言っていいほど頬を赤らめている。人の好みは分からないと思いつつ窓に目を向けているとしばらくして1人の生徒が口を開いた。
「学級委員になりました紺野 翔(こんの しゅう)です。ヨロシク」
「はいよ。じゃあ翔!他の奴らの委員会と係り決めて。あ、生徒会の綾瀬と遠矢はやらなくていいから」
−ん?トオヤ…誰?あいつか?
キョロキョロとクラスを見渡すと廊下側の1番後ろの席の人と目が合った。
その人は視線がぶつかったままじっと春貴を見つめている。
なんとなく逸らせない春貴はぎこちなく微笑む。すると彼は一瞬大きく目を見開きクスリと笑って目線を外した。
−なに!誰!?あいつがトオヤ?初対面…だよね。じっと見てくるなん…!!また、見てる。
なんなのー!!
「…ねぇ。…くん。…綾瀬くん!」
「…んなッ!?え?え?」
「HR終わったよ」
「あ、ホントだ。誰もいない…。ありが…」
起こしてくれたお礼を言おうと横に立つ人に目を向けるとそこに立っていたのは先ほど、春貴を見つめていた人物だった。
「あ、あんた」
「“あんた”じゃなくて、遠矢。遠矢 臣」
「そう。で、何?遠矢くん」
迷惑そうな声をわざと出し、警戒する春貴に臣は動じない。
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