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クラスの中はある意味戦場…



千緒のクラス、(3年)Z組はこの2年間クラス替えをしてもメンバーが変わる事が殆ど…というより全くなかった。


今年を除いて。


銀魂高校は一応、成績によってクラスが決まる。あと教師の気分。
そこでわかるのが、Z組の馬鹿さと担任坂田銀八のめんどくさがりな事。

とにかく、このクラスは個性と馬鹿が紙一重というより粘着テープ並みに一体したクラスなのだった。
それもあり、学校ではある意味で煙たいクラスでもある。



「はぁー…」



そんなZ組に、彼…志村新八はいた。
また同じクラスかよ、と溜め息をついた所に異変に気付く。


隣りだ。

右隣り。


『……はぁー…』



彼女もまた、溜め息をつく。
嬉しそうに。



「ってアンタ誰ええええええ!?」

『あ、(駄)眼鏡の志村君…』

「今"駄"って心の中で付けましたね。眼鏡の前に」

『被害妄想ばかりしてるからいつまでも(駄)眼鏡なんだよ。』

「いやだから"駄"って付けてるのテメーじゃねえよおおおおぉ!?」



新八の右隣りの彼女――叶音千緒はその綺麗とも可愛いとも言える顔を笑顔にした。一瞬新八がドキリとしたのは秘密。



「…あ、もしかして…学校で有名な美人双子の…」

『千緒ッス!!あ、美人要らない。美人は妹なんだよね。残念ながら…』



千緒は本当に残念そうに笑顔を歪めた。



「いや、そんじゃそこらの女子より可愛いですよ?」

『へー…(駄)眼鏡もお世辞って言えるのね。あ、遅れたけど、よろしくね。』

「駄いらねえええ!!…あ、よろしく…」


そこで新八は思った。
美人双子の姉は、頭も器量も性格も神並みだ…という噂を。
実際、千緒は今までB組だったし…



「どうしてZ組にいるんですか?」

『んーノリ?やっぱ、高校生活楽しみたいもの。テスト白紙で出したし、銀ちゃんに頼んだから』



あはは、と笑う千緒に新八は度肝を抜かれた。
こんなクラスに入りだがる変わり者もいるんだ…と。



「誰アルかぁあああぁあッ!!私のMy弁当にマヨネーズまっこりぶっかけたのはぁあああ!!これじゃあ練乳イチゴがマヨ乳ベリーじゃねえかよおぉッ!!土方お前かあッッ



"マヨ乳ベリー"って何で"イチゴ"が"ベリー"に変換されたんだ?
まあ、マヨネーズまっこり=土方…という方程式はあながち間違ってはいない。
よって、必然的に彼が疑われるハメになるのだが。




だが、その容疑者(?)土方の様子も変だった。




「俺のマヨ………中身無いんですけどおおおッ!!!!」

「テメーが私のマヨ乳…あ、違。練乳イチゴにぶっかけたからだろーがぁあああぁあッ!!」



それを言い終わる前に被害者(?)神楽は容疑者(?)土方のこめかみに膝蹴りをかましてた。




そんな様子を遠目にニヤニヤしてる奴がいた。




『ほう…土方君はいじめられっ子…メモメモ…』

「メモしないであげてええッ」



沖田は珍しく国語の教科書を音読していた。
教科書が逆さまなのは多分見間違いじゃない。
しかも、その両手がテラテラしていた。


テラテラ?
アレ?おかしくね?


そこで、神楽にボッコボコにされてる土方が殴られ蹴られながらも必至で右手に持ってるマヨの容器を見る。
それは既に屍というか、もう向こうの景色までハッキリ見える元マヨネーズの容器。

そこにはこう書かれていた。


【てめェのマヨ(中身)は預かった。返してほしけりゃてめェの首を沖田宛てに送って下せィ(笑)】



犯人確定。

されど後の祭。
沖田はニヤニヤニヤニヤして、遂には写メまで撮って…



「チェン画にしてやらぁ」



チェン画にしてた。



『沖田君が……黒幕…と』

「メモるなぁああッ間違ってないけどッ」



千緒がクラスを見回すと、沖田と目が合った。




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