もぅやってらんない!
プロローグ
それはある雨の日だった..
『大ちゃんこれ読んでみ?』
『なんでぇ?』
そう言って姉が差し出した本の表紙には.真ん中に女の子みたいな男の子がいて.カッコイイイケメンと抱き合っているやつだった.
『...これなぁに?』
当時まだ何も知らなかった俺は無邪気にも姉にこのピンクの本の正体を聞いてしまったのだ.
『これはねぇ...BLっていう素晴らしいお話なの−』
姉は今までに見たことのないような笑顔で言った.
『ふ−ん...どぉしてこの子はこの人と抱き合ってるのぉ?』
『それはねぇ−....』
その後姉から散々この本の説明を聞かされ.BLというものがどれくらい素晴らしいのかと.俺は寝るのも許されることはなく永遠に聞かされた..
そのころの俺は姉が何を言っているのかよくわからなかったが.永遠のように続くこの姉の話が地獄のように感じられた
だから...
『大ちゃん!今日はこれ読んだあげる♪』
『え−またぁ!?』
こんな風に毎日聞かされて俺は軽くノイローゼ気味になってしまっていた....
―1年後―
『おねーちゃん!今日はこれ読んでぇ♪』
『もう大ちゃんは本当にこの【どきどき☆僕らの学園生活】が好きね−』
『うん!主人公がみんなからせまられて.にゃんにゃんしちゃうのがい−の−(≧∇≦)!』
『それはね−“総受け”っていうのよ−♪』
『そううけ..?』
『そう総受け.そしてこうゆうのは“王道”なのょ』
『おうどう!?』
『うふふ..大ちゃんもじきにわかるわょ−(*^o^*)』
『...?』
その時は気づかなかったのだ.何回も言うようだがまだ俺は幼く.教えれば何でも素直に覚えていくから.いつのまにか自分が腐男子となってることに.
『大ちゃんも大きくなったらこんな風になろうね!』
『うん!』
しかも全部姉の計画だったということに...
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