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怜は京都にある日紫鬼組の本邸を訪れた。

裏世界の中心である日紫鬼組の本邸は異常な程大きく、和風の造りをしていて、怜は思わず感嘆の声をもらした。


「ここが本邸か…」


「…えぇ。そうですよ。貴方は桜木 怜様でよろしいでしょうか??」


後ろから声が聞こえ、怜が驚いて振り替えるとそこにはこの屋敷に似合わないスーツを着て黒渕眼鏡をかけた執事のような男が立っていた。

怜は慌てて、男の方を見て


「はい。申し遅れました。桜木 怜です。あの…失礼ですが貴方は…」


「えぇ。お話は聞いてあります。この組の手伝いをしている谷川 柊と申します。そんなことよりも奥へご案内致します」


そう言って奥へと歩き出してしまったので、怜は慌てて追いかけるようにして本邸に足を踏み入れた。



ずいぶんと長い廊下を歩き突き当たりのドアの前で谷川は立ち止まり、怜の方を向くと


「ここから先離れとなっており、人がいませんが安全面は日紫鬼組が保証致しますのでご安心下さい。」


そう言って目の前のドアを開けた。

離れはさっきまで歩いていた廊下とは全く違い、窓がなく太陽の光が全く入らない場所で
光はポツリポツリとある電球だけで足元も見辛く気味が悪かった。

時々足元に注意を促す谷川の声があったものの、二人とも終始無言で廊下を歩く足音だけが聞こえていた。


そんな長い長い廊下の終わりを示す一つのドアが目の前に立ちふさがった。

そのドアの前で谷川は立ち止まり


「この中で紫鬼様がお待ちです。」


それだけ告げてドアをノックし扉を開けた…。


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あきゅろす。
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