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「青春だねー」
藍が出ていったドアを見ながら楽しそうに玲音が言った。
「…玲音。キャラが完全におかしく…「じゃあ、魁も僕と青春しよ…??」
玲音はギュッと魁の腕にしがみついて見上げた。
「…はぁ。余計な体力は極力使いたくないんですけど。遊びなら他で…玲音…??」
ため息をつきながら魁は玲音を見たが、いつもの玲音の様子と違っていた。
魁の腕にしがみついたまま俯いている。
「……遊びじゃ…ない…。」
「…え??」
「だから、遊びじゃなくて…魁の事だけ欲しがっちゃ…ダメ…??」
玲音はいつもの作った上目遣いではなく、目に薄く涙を浮かべながらも必死に魁を見上げた。
「……玲音。それは…本気で言ってるんですか??」
「…本気だよっ…」
俯きながら弱々しく返す玲音に魁は思わず口元を緩め
「…はぁ。本当に困った人ですね。」
そう言って魁は玲音を抱き上げ
「…そんなに言うんだったら、貴方だけを美味しく食べせてもらいますよ。
…後悔しないでくださいね」
「後悔なんてするわけないじゃんっ」
妖しく目の奥を光らせた魁は玲音を抱き上げたまま隣のベッドルームへ入って行った。
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