over 38 午前3時30分 悠真はとある屋敷の中にいた。 一般の人は決して近付くことはない裏世界の中心 …日紫鬼組の屋敷に。 …といってもこの屋敷は本邸ではない。 日紫鬼組の本邸は京都にあるからだ。 「……3時30分ジャストやな。悠真。」 「ほんまに…よぅあの時間にメールをいれてくれはりましたな。」 悠真の後ろの障子が開き、入ってきた人物に悠真は振り返りながら皮肉を飛ばした。 振り返った先に立っている人物は身長が高く、濃い緑色の着物を着ていた。 そして悠真と同じく中性的な顔立ちではあるものの、髪、目共に真っ黒だった。 「何を言うとるの。私の命令は…「絶対…やろ??」 「分かってるならえぇ。悠真もあいつにバレたないんやろ??」 その言葉に悠真は何も答えなかった。 その様子を見た悠真を呼び出した人物…日紫鬼 雷鳥(らいちょう)は口角を上げた。 「悠真。分かってると思うけど ……仕事や。はよ着替えてきぃ」 悠真は雷鳥が入ってきた障子から部屋の外へ出ていった。 (……やっぱりこっちに来てもこうなるんやな。) [*前へ][次へ#] [戻る] |