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バトル3〜fight girl〜
練習
 放課後…
 数希は、一度城に帰った。
「今日もお早…」
 いですね。と言いたかった門番は、最後まで言葉を言えずに口を塞がれた。
「静かに。もう一人は?」
 数希は、門番の口から手を離して、小さな声で言った。
 門番も小さな声で言った。
「…………言って置きましょう。どうぞこちらへ」
「気がきくぅ!」
 あくまで小さな声で数希は笑った。



 また戻って来た数希は、公園の広場の時計の下で待っていた。
 数分後…その人物は、待ち合わせ場所の時計の下に走ってくる。

「数希〜!」
 走りながら手をふっているその人に、手を振り替えしながら数希は言った。
「何だか懐かしい…朋子」
 朋子は、渾身の笑顔で言った。
「すっごい久々な感じする!!で?数希。今日はどうするの?」

「…………って、バスケの練習かい!」
 朋子はここぞとばかりにつっこみ、数希は先程の朋子のような笑顔で言った。
「だって、話聞いてたでしょう?」
「はぁ…リベンジすんのよね…あの二人に」
「リベンジじゃないの勝敗をつけるの」
 数希は言った。



「なんでそんなに必死なの?数希にしては珍しいよね」
 数希が、買って来たスポーツ飲料水をごくごく喉を鳴らして飲んでいる間に朋子が聞いた。

「さぁ…なんでだろう?でも勝つよ。明日こそは」
「よっぽど悔しかったんだね」
「…………」
「え?違うの?」
「ん?…いや、………」

(そういえば…悔しくもなく悲しくもない。何故だ?)

「どうしたの?」
 突然何も言わなくなった数希に、焦りながら朋子が言った。
「うぅうん…なんでもない」
 数希は笑顔で返した。



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あきゅろす。
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