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バトル3〜fight girl〜
発見
「何故だろう…?」
 夜…帰って来た数希は自分の部屋の鏡の前に腰掛けていた。
「何故…悔しくないのかしら?でも…ただ勝ちたい…この気持ちはどこから…?」


 鏡に手をかざし、目を閉じる。

 数希の周りを風が包む。
 数希は、草原で風に吹かれていた。

 目を開ける。


「答えは…出ましたか?」
 数希は、いきなり現れた鏡に写る男に、鏡を見つめながら言った。
「出たわ。栢軌…………私は…勝負を楽しんでる」
「気がついたのですね」
「えぇ。私はあの二人をライバルとして認めている」
「それならば…勝ちなさい。あの二人に」
 栢軌の言葉に数希は笑って返した。
「もちろん」

「でも、練習は仕事が片付いてからにしてください。今日は“あなたの”仕事が全部、僕に来たんです」
 栢軌は笑顔で言った。
「あ…やっぱり?」
 数希は、ぎくっ…となって、振り返り言った。
「はい。それはもうどっさりと」
 やっぱり笑顔のままで栢軌が言った。
「ごめんなさい…」
「いえいえ…そのかわり、明日は負けたら覚悟してて下さい」
「……………はい(ヒィィイイィィ…)」
 数希は無理矢理笑顔を捻り出して笑った。

「勝ったら、この僕がご褒美をあげますよ」
 少しして…栢軌はそう言って笑った。数希も笑って返した。
「あら…何かしら?」



 栢軌は、部屋を出た途端すごいスピードで歩きだし…今、出て来たばかりの部屋のドアを眺め、ぶつぶつと言った。

「あのお嬢さんには…何とかして地位を下りて頂かなければ。我が改革の日は…近い」
 遠くで稲妻が走る。



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あきゅろす。
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