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rescue sutra



十分奉仕されたモノで弄られたさんほうちゃんの小さな身体は洪草の精液でべたつき、部屋中妙な匂いが充満しています。

そのさんほうちゃんの鳴き声を後ろの戸で聞いていた人影が徐々に二人に近付いて高く笑いながら拍手し始めました。



「久しぶりだな。法繚、」

「ろ、勒帋さまっ!」

「どうした。その無様な姿は、まるで女だな…胸を開け男に犯されているなんて、」



ゆっくりした喋り方と大きな身体の勒帋はニコニコとほくそ笑みながら汚れたさんほうちゃんを見つめています。

やはり洪草と手を組んでいるようで助けてくれない勒帋を睨むさんほうちゃんはこの瞬間から自分はもう助からないと諦めていました。



「勒帋様、もう妖魔の準備は大丈夫でしょうか?」

「うむ、神聖な部屋で皆待機しておる。もちろん山都の王子もな、」

「そうですか…分かりました。じゃあ今すぐ講堂へ向かいましょう。」

「ああ、そうしよう。法繚、お前もだぞ?早く立て、」



低く見下されたさんほうちゃんはよろよろな身体を起こし、洪草と勒帋に講堂に連れていかれました。

準備の意味も分からないさんほうちゃんはこれから何が起きるのか恐ろしくて考える気力もありません。



「猿(マシラ)の妖魔も愚かだったな。人間でも無いのに法繚を想うなんて、」

「えぇ、得に奴にはキツい仕置きが必要です。汚らわしいあの身体ごと潰してしまえばいいのです。」

「・・・。」



昔から知っていて尊敬していた二人が大切な仲間のも悪口を言い、さんほうちゃんの自制心を苦しめました。

本当は今すぐ二人を懲らしめてやりたかったのですが何も出来ず。講堂の扉が開かれて衝撃的な光景を見るまでさんほうちゃんは自分が犯した罪の重さを知らずにいました。









講堂に着いたさんほうちゃんの目の前で手足を拘束され俯いていた人は透明感溢れる露草色の髪に漆黒の瞳、今にも泣き出しそうな顔でぽつりとさんほうちゃんの名前を呼んでいます。

見覚えの無い男の人だったので首を傾げたさんほうちゃんでしたが、後ろの扉から放り投げられた仲間の三人を見て自分がしたことをやっと理解したのでした。



「お、お師匠様…」

「さ、さんほうちゃん、」

「もん吉!が太郎さんに…とん平もっ、」

「へっ、さんほうちゃんゴメン…捕まっちゃった、」



ボロボロの身形で拘束された妖魔の三人の元へ急いで駆け付けようとしたさんほうちゃんですが、細い腕を勒帋に引かれ動きを封じられてしまいます。

もん吉くんの肌には無数の傷が付いていて、が太郎くんのお気に入りのシャツもずたずた。とん平くんに至ってはトレードマークの帽子を被っていません。



「身も心も汚れた妖魔を引き連れて楽しい旅だったか?」

「くっ、」

「それに馬…いや、妖魔の存在を許可しようとした元王子とのんびり天竺を目指していたなんて滑稽すぎるな。」

「…へ?」



分けの分からないさんほうちゃんは勒帋に顎先で促され振り向いて再び瞳を合わせた露草色の青年を見つめます。

如何にも彼が最初から旅を供にしていた玉龍だったなんて。動揺が隠せないさんほうちゃんはふるふる震える身体を自分で抱きしめることしかできません。



「そもそも全てがおかしな話だ。お前は妖魔に両親を殺されたのに何故妖魔と旅をしているんだ?それを誰が赦そう…法繚、お前は妖魔を怨ん、

「それ…どういうこと?」

「は、?」

「ちょっとオッサン何冗談言ってんの?お師匠様が妖魔を怨んでるだって?い、意味がわからねぇな…」



苦笑いしながら否定したもん吉くんは言葉以上に辛いさんほうちゃんの衝撃的な過去を事実として知ってしまい目を縮瞳させています。

が太郎くんは歯を食いしばりながら以前、洪草の部屋で立ち聞きしてしまった事実を飲み込みます。

とん平くんは自分が初めて会った時に言った言葉の重さを、さんほうちゃんに味わせてしまった恐ろしい出来事を目を瞑り後悔しています。



「なぁ、お師匠様。嘘だろ?妖魔に親殺されたなんて嘘だよな、なぁ!」

「・・・。」

「何で答えねぇんだよ!三蔵法師!おい、聞いてんのか!」



逆上して盲目で叫ぶもん吉くんの声に何も言えないさんほうちゃんはただ自分のつま先に視線を落とし、もん吉くんの気持ちも仲間の視線も見ないようにします。

誰にも打ち明けて居なかったことで完璧に軽蔑された気がしたさんほうちゃんは全ての終わりに血涙を飲み干した気分でいました。





[*Ret][Nex#]

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