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2011年 姫初め/星空エビデンス



独り言をぶつぶつ言っていた一流さんが突然、机をバンと叩き立ち上がった。その瞬間、時計の針が12を指して世の中は2011年を迎えていた。

テレビを消せだの早く風呂から上がれだの大晦日なのにせわしい命令ばかりされた僕はとっても機嫌が悪い一流さんに対して少し苛立っていたんだ。



「真尋、姫初めするぞ。」

「な、なにさ、いきなり…」

「年初めセックスだ。年明けにセックスしたカップルはずっとラブラブでいられるんだぜ?」



徐に側にやってきた一流さんが手の平に手を重ねてニッコリ。さっきまでの機嫌の悪さはどこへやら、僕の肩に擦り寄って来た。

大きな身体のくせに小動物のように可愛い仕種で僕に近付く一流さん。ちゅっちゅっと唇を尖らせキスする真似までして、かなり調子に乗っている。



「ここ一週間ずっとお預けだったじゃんかぁ。だからいいだろ?お前も俺とヤリたいだろ?」

「うぅっ、」

「悪いようにはしねぇよ。必ず悦くしてやるから、さ…」



そう言われると何も言えなくなる僕。実はここ一週間年末にかけて仕事が増えたらしく、一流さんは帰って来てもすぐ寝ちゃって全く何もしていないんだ。

ご存知の通り、僕は自らしたいですなんて言うキャラじゃないでしょ?だから正直言うと僕も溜まっていたりする。



「し、仕方ないなぁ…」

「おっ!ってことは?」

「いいけど絶対に痛くしないでね。それ約束したらいいよ。」



ちょっぴり恥ずかしかったけど、自ら了承して今年明けて初めて身体を彼に委ねる。

くすぐったい感覚もほっこりとした温もりもすべて懐かしく、心地好い。僕は初幸せを存分に味わっていた。









「初フェラのお味はいかがですか?真尋ちゃん、」

「まずいっ、」

「年明け早々ひでぇな。ホントは大好きなくせによ、」



白いふかふかベッドで御満悦のわがまま王子は僕に“汚いモノ”を奉仕されることにより上機嫌になっていた。

しかもビデオカメラを片手にニコニコして、何が初フェラだ、いっつもしてることだからそんなにめでたいモノでも何でもない。



「あぁあー、やっべぇ…マジで最高だわっ、」

「んむぅうっ…」

「ん?あぁ、そっか。そうだよな、早く挿れて欲しいんだな。」



つまり、あんな“汚いモノ”でも早く悦くして欲しかったりするんだ。

自分ばっかり気持ち良くなりやがって、一流めっ!分かっているなら早くして欲しい。でも、絶対自分からはおねだりしないぞ。バカにされたくないし。変態だと思われたくないもん。



「よし、コッチ向け!真尋、」

「んんっ…」

「あ?どうした?挿れて欲しいんだろ?」

「ち、違うよ。そもそも何でビデオなんか撮ってるのさ。」



今年初めての行事をビデオに収めたいらしい一流さんはボクの身体を見もしない。むしろ映像上で楽しんでいる、そんな感じだ。



「何でってそりゃ…お前との愛の軌跡をだな、俺は残した

「げぇっー…」

「げぇっじゃねぇだろ、真尋。ってかもう我慢ならねぇわ、」

「あわわわわっ!!!」



カメラを横にずらし本物の瞳で僕を見つめた一流さんはとても綺麗な顔をしていた。悔しいが本当にカッコイイなぁって熟々思う。

だけど油断大敵。榊一流はドSであるということを忘れてはいけない。



      ・・・・・
「もう挿れてあげられるがっ…どうする、?」

「ぁやっ、」

「は、俺の舐めて勃っちまったか?素直になれよなぁ」



反応していた股間を弄(マサグ)る嫌らしい手つき。全てを揉み扱かれて快楽が一点に集中していく。

それでも物足りない感覚は徐々に拡がって僕の気をおかしくするんだ。



「一流っ、さんっ…」

「んんっ?」

「もうっ、だめっ…これ以上されたらっ、やばいよっぉ、」



結局、僕が甘い。
いっつも一流さんの良いようになってめちゃめちゃにされる。半ば諦めながらおねだりして言われるがまま、脚を開いて体制を整えた。



「くそっー、お前かわいすぎなんだっ、よっ…」

「ゃあっ!あああ、ああっ、」

「んくっ、いッ…意外とすんなりっ、」



ぐんぐん入ってくるそれはとっても固く、簡単に僕の気持ちいいところを刺激した。

がくがく揺さ振られてあまりよく分からないけど、一流さんは法悦感に浸る顔をしている気が…する。



「どうだっ、」

「あっ、ああっ、いちるっ、んんんっ―…!」

「初セックス、なかなかだぞっ…ま・ひ・ろ、」

「んんっー…もっ、あッん、」



太い左腕でガッシリと掴まれた腰に近付く太い陰茎は深く抉るように僕の腸壁を突きまくる。

止まらない律動に耐えられず揺れる僕のモノも限界を超えてしまいそうだった。









目を覚ますとハァハァと息を漏らしながら自慰に耽る一流さんの姿を僕は発見してしまう。

しかもそのおかずは昨晩撮ったあの動画。高く鳴く自分の声に起こされた僕は一気に英気を失った。



「おはよぉー…、」

「おっ!真尋ちゃーん、おっはよー!」

「おっはよーじゃないよ。また貴方は何をしているんだ、全く…」



驚きもせずバカみたいに自分の勃った陰茎を摩る一流さんはにんまり笑顔でビデオを止め、ココがヤバイとかなんとかほざいている。

新年早々、バカやって…
ビデオ見ながら悦くされるのは気分悪い。



「何拗ねてんだよ、誰もAV見てるわけじゃないだろ?俺とお前の愛の…

「キ・セ・キ、とでも言いたいんでしょ?一流のバーカ!」

「バ、バカだとっ?真尋、お前誰にそんな口をっ…」



本人が居るのにビデオで愉しまれるなんて相当ショックだ。
それに真剣な顔でだらし無い下半身見せられても説得力のかけらも無い。



「ってことでまたヤラせろ。」

「はぁあ?」

「今年二回目のセックスだ!人生経験を多く積むことが大事だぞ、真尋。」

「や、ちょっと、何意味わかんないこと言ってんのさ!」



人生経験を豪語する一流さんに再び襲い掛かれて本日二回目の色事スタート。

新年明けても調子の変わらない榊一流に振り回される哀れな小野瀬真尋、14歳。

とほほ…
みなさん、よいお年を…





[*Ret][Nex#]
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あきゅろす。
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