[携帯モード] [URL送信]


envious student @




『ねぇっん、ジョウってばぁっ〜』

『・・・。』

『このあとどうするつもりぃ?このまま、おウチ…行くの?』

『…まだ俺とヤリたいの?』



ココは某ネオン街、ラブホがバンバン立ち並ぶこの無法地帯を帰路とする独身彼女なしのボクは一人虚しく家へ向かって歩いていた。すると蕩けるような甘い声で男に縋る女とそれをクールに交わす男が堂々とラブホから出てくる現場に遭遇する。(まぁ、日常茶飯事だが)

女は胸元がざっくり開いた派手な赤のドレスを身に纏い、たわわな胸を男の腕に押し当てる。そして男の方はとっても背が高く暗闇で一瞬スーツをきっちり着ているのかなとも思ったが、よく見ると学生らしい黒の学ランを着ているのでギョッと目が離せなくなった。



『わかった、じゃあ俺ん家行こ。今日は火曜でカテキョも来ねぇし…朝までおっけーだから。』

『やぁーっん、エッチィッ!』

『は、ユリカが誘って来たんだろ?2rdなんてよく平気だな。』



離せなくなったのは知り合いだったからなのか…あれはどう見てもボクの生徒で、どこをどう見てしまっても紛れも無い、未成年の高校生であった。彼は確かナカミカド君と言って水曜と金曜の週二回、ボクが家庭教師として英語を教えている子なのだ。

出来栄えはなかなか優秀、親の財力もハンパ無いらしい超スーパーお坊ちゃま!

そんな彼がまさかキャバ嬢とラブホから出てくるなんて…、ボクはまずいものを見てしまったに違いない。



『じゃあ、タクシー拾…』

「こんばんは、」

『…は?』

「カテキョのヨルヒの相良です、ナカミカド君こんばんは、奇遇だねぇ〜こんなところで会うなんて、」



それでもジッと黙っていられないのがボクの悪い所。こともろうかそんなに近くに居たわけでも無かったのにナカミカド君とキャバ嬢に話しかけてしまったのだ…

好奇心と言うか嘘がつけないというか…とにかくこのまま挨拶しないのも悪い気がして挨拶をしてしまったが、余計いけなかった気の方が勝り後には何も言えなくなってしまう。



「相良、」

「ははは!ナカミカド君、すごいなあー!そんな綺麗な人が彼女さんだなんて!うひょー!でも夜は危ないし暗いからね!お父さんお母さんも心配しちゃうから早く帰った方がいいんじゃないかなぁっ、」

「・・・。」



それでも「空気を読まない」キャラクターのボクはナカミカド君の肩をバンバン叩いてこの異様な空気を明るくしようとした。確かにナカミカド君の彼女は(セフレは)とっても綺麗だったのでとりあえずそれは嘘ではない。

ナカミカド君も満更でもなさそうだし、この場はセーフだろう。



「んじゃ!気をつけて帰っ、

「相良。」

「はいっ?」

「ユリカ、悪い。このあと俺このオッサンと用があったんだわ。だからまた今度な、」

「は、はあぁ?」



それなのにだ!
ナカミカド君はボクと用事があると嘘をついて腕を引き何故かユリカさん(セフレ)はその場に放置。恐るべしお坊ちゃま、ナカミカドジョウ。

自分のわがままで人を振り回し、何も言わず腕を掴んだままただただ猪突にネオンの奥へボクを誘うのだ。訳が分からないボクは引かれるがままなのもおかしいと思ったので唐突に急ブレーキをかけ腕を振り払った。



「ちょっと!ナカミカド君!何で彼女さん置いてきぼりにしたの?ダメだよ、今時強引な男はモテな」

「黙れクソジジィ。」

「ク、クソジジィ?!」

「いいからこん中入れよ。」

「うぉっ!…は、?」



クソジジィと呼ばれた苛立ちで少し油断してしまったボクの後ろには白塗りのまるでシンデレラ城のような風貌の綺麗なラブホテル。いろんな部屋が選べて肩をどつかれた瞬間背中で「3」のボタンを押してしまっていたのだ。

本当に何がどうなってこうなっているのか全く分からないボクはナカミカド君を見るが彼は素知らぬ顔でフロントで鍵を貰っているではないか!!



「…相良先生、生徒の素行を調査するなら最後までお付き合いいただけますか?」



少し怒りを含んだ声色でボクを脅すこの男は確実に年下である。親が金持ちだからなんだってそんなの関係無い。それに別に学校の先生なわけではないから素行を調査していた覚えも謂れもへったくれもない。

鍵を強く握りしめ、ボクの腕をもう一度掴んだナカミカド君は絶対に離さない引きでボクを部屋に連れていった。








[*Ret][Nex#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!