[携帯モード] [URL送信]

星空エビデンス
darkness star



その後、サカキは熱に冒されたように何度も『愛してる』と僕に伝えながら激しく身体を打ち付けていた。



律動は強くなるばかりで車の中という粗末なシチュエーションはお構いなし。

お互い熱い身体をぶつけて何度も交わった。





サカキは愛なんか持ち合わせていない…

性欲を処理するための道具だと僕を思っているはず・・・



だから『愛してる』なんて誰からにも言われたことの無い深い言葉に胸がズキズキと痛んだ。



『一緒に居たい』と言われた時は頭がいかれたんじゃないかな?と思った。

無関心、無感情を保ってきた僕はサカキとの行為になると人格が変わったように行動も言動もおかしくなる。





偽りの愛に決まっている。

犯罪者だし、人を騙すのも得意だろう。疑心暗鬼に人を信じちゃいけない。


サカキは僕の身体目当てなんだ。


それに叔父さんから学んだじゃないか…人を信じたら痛い目を見る。


榊一流と言う男には疑念の塊しか見せちゃいけないんだ。

危ない…騙されるとこだった。














「小野瀬、今日は日曜日だぞっ!買い物にでも行かないか?」



この笑みも偽り。
恐ろしく演技が上手い男だ、サカキは。

微笑みかけるサカキの瞳、イライラする。



「・・・・」



「…夜の怒ってんのか?悪かった、ちょっと調子乗りすぎちまったよな…ケツ痛いのか?」



「・・・・」




散々めちゃめちゃに犯して大丈夫と身体を気遣うのか?


最初からコイツはそうだ。
傲慢で自分勝手に欲望を突き付け中に放ち、何度も痛く…だけど優しく僕の身体隅々を愛撫する。




「黙ってたら分からねぇよ…」





「一流サン、早く僕の前から消えて下さい。貴方と居ると気が狂って頭がおかしくなりそうだ。」




部屋中に響く僕の怒鳴り声が虚しく心に突き刺さる。

奴に言った言葉なのに何故だろう。
胸が抉り裂けるほど深く痛んだ。




「・・・小野瀬、いきなりどした?」



「犯罪者である貴方が僕に好きとか愛してるとか簡単に言うのはおかしいですよ。どうせ他の遊び相手にも言ってるんですよね?なら尚更です。警察に通報しないだけでも有り難く思ってほしい。」



「…好きと言ったこと怒ってるなら謝る。すまなかった。だけど本気で好きなんだ。お前と居られれば俺は…

「大切なモノ奪っといてよくそんなことが言えますね…貴方は最初からいろいろ間違ってる。貴方が僕を好きというのが事実だとしても、僕は罪を犯した貴方を絶対に好きにならない。」





凄く、自分でも酷いことをよくつらつら言えたなと思った。

僕の言葉を全て聞いたサカキの瞳は震えていた。






「小野瀬…」





ぽつりと吐いた僕を呼ぶ声。

その場を去ったサカキは振り返ろうともせず、俯きながら僕の家から出ていった。







僕は自分を責め立てない。

アイツがいけないんだ。




僕を壊して、最後は愛を持って抱きしめる。
行為が重なる度に心には空虚な風が吹く。




昨日なんか血相かいて僕のことを探していたんだろう?

何回も電話して…バカみたいに走って。

自業自得だ。




ヌヌちゃん盗まれて突然身体を調教されて、求めたくなくても勝手に求めるふしだらな身体にしたのも全部サカキじゃないか。






もう二度と帰ってこなきゃいい…





[*ret][nex#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!