愛を…
14
「久しぶり、馨」
「っ悠さん!!」
優しく細められた目元に、広げられた両腕…俺は嬉しくて迷わずその腕に飛び込んだ
「ははっまた綺麗になったな馨」
「綺麗じゃないもん、悠さんのバカ」
「はいはい」
スーツがシワになるとかそんなこと考えもしないで、悠さんの胸にぐりぐりと額を押し付ける
そんな俺の頭を悠さんは優しく撫でて、まるで子供をあやすように背中をポンポン叩かれた
「元気だったか?馨」
「うん…悠さんも元気だった?」
「ああ、元気だった…仕事に埋もれ死ぬかとは思ったけどね」
乾いた声で苦笑する悠さんがなんだか子供みたいに見えて、もう一度ぎゅうって抱きついた
けど、それだけじゃなくて本当に久々だったからそうしたかったんだ…
俺を此処に連れてきてくれたあと悠さんは直ぐに引き返した…仕事があったみたい…それからは一度も悠さんと会ってないし連絡もとれてなかった
だから無性に抱きつきたかった…
本当言うとね、寂しかったんだ悠さん…
そんな俺を悠さんも抱き締めてくれて、とても嬉しかった
「ありがとう、悠さん」
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