愛を… 12 あれから時間は経ち、もう授業時間も終わった頃 ずっと部屋で帝とゴロゴロラブラブしてたんだけど、3時を過ぎた頃に帝に引っ張られて部屋を出た 「ねぇ帝・・・」 「ん?なんだ?」 そして、連れてこられたのは理事長室の前 今まで来ることがなかった理事長室だから、此処に来るまでにすごくワクワクしながら歩いてたんだけど、 実際何があるのか帝は全然教えてくれないし、そのくせ帝はずっと一人で嬉しそうに笑ってるし、何がなんだかさっぱりわからない 「ここになにがあるの?いい加減教えてよ」 「自分で確かめるんだな」 「ムー・・・」 「そう拗ねるなって、お前の悪いようにはしない。なにがどうなってもな」 頬を帝の手に挟まれて額同士をくっつけて、目の前で帝が優しく笑う 俺も少しむくれてたけどそんな帝の顔を見て、一度瞬きしてから微笑んだ 「帝がそう言うなら信じるよ」 少し背伸びをし、すぐ傍にある帝の唇に自分のそれを押し付けた 「ん、いい子だ」 帝からも一度チュッと音を立ててキスをされてから離れていった 不安になることなんてないんだ 俺には帝がいる・・・それで何も不安に思うことなんてないじゃないか たとえどんなことが待ち受けていようとも・・・帝がいるから俺は此処にいれる 「よし、行くぞ」 「うん」 大きく頷いたら、帝がドアを3回ノックした コンコンコンッ―― しばらく待つとガチャっと音がしてゆっくりとドアが開いていった ドアの向こうにはスーツを着た若い男の人が立っていて、俺たちの顔を見た後右手をお腹に添えて深々とお辞儀をした 「お待ちしておりました、神代帝様。華桐馨様」 体を起こして、ほんの少しだけ微笑むその人はまるでどこかのお城の執事さんみたいでとてもかっこいい 思わず呟いてしまうほどに・・・ 「かっこいい・・・」 だってほんとにカッコいいんだよ?こんな人にお出迎えされちゃったら俺だけじゃなくて色んな人とか、特に女の人は目がハートになっちゃうんじゃないかってぐらい こんな人が日本にいたんだなぁって思ってたら、肩をいきなり引っ張られて、顎を掴まれてキスされた 「んっ帝!何して「俺のほうが、かっこいいだろ?」 一瞬だけだったけど、舌まで入れて来た帝を突き放して赤くなった顔を腕で半分隠して一歩だけ後ずさると、帝が勝ち誇ったように笑いながら言い放った 俺のほうがかっこいいだろ・・・って、もしかして俺が呟いたの聞こえてたの?それでもしかして・・・ヤキモチやいちゃった? 「・・・フフッ当たり前でしょ?帝よりかっこいい人なんてこの世にはいないよ」 なんて可愛いんだろうこの人は 貴方に敵う人なんて日本中・・・ううん世界中探しても居はしない 例え周りがそれに同意しなくても、俺の中で貴方が一番だよ 誰も貴方が立っているところを奪えやしない・・・だって貴方は俺の唯一で絶対の人なんだから 「帝が一番かっこいい」 「ふっ、当然」 下から首を傾げて見上げると、嬉しそうに微笑む帝 その顔を見て俺も微笑んだ・・・その時に 「そろそろよろしいでしょうか?」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |