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愛を…
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「ん・・・・・・帝・・・?」


ゆっくりと意識が浮上して、目を開ければ回りは真っ暗だった・・・カーテンの隙間から少しだけ、月の光が差し込んでるだけでほんとに暗い・・・
だから、隣に居るはずの人が居ないことに気付くのに少し時間がかかった

呼んだらいつも返ってくるはずの優しい返事が返ってこない・・・いないの?


「帝?」


どこ?
どこに行ったの?帝・・・

痛む腰を庇いながらシーツを体に巻きつけて寝室を出た・・・シーツには俺一人分の温もりしかなかった・・・




寝室をでて、廊下を挟んで目の前にある脱衣所や、トイレを覗いて見ても帝は居ない
ねぇ、どこ行ったの?

視線をあたりに回せば、開いているリビングの扉が見えた・・・ソレを見て何も考えずに俺の足はそこに向かっていた



リビングも暗いはずだった・・・けど、俺が入ったリビングは電気はついてないけど、暗いってわけじゃなかった
バルコニーのほうから光が差し込んでる・・・そこにあるカーテンも風になびいてふわふわと揺れていた


その揺れるカーテンの向こうに、俺の愛しの人の姿を見つけて足早に歩いて向かった


帝・・・帝、帝っ

トンッ・・・ぎゅっ



「!?・・・馨?」

「・・・・・・」


ああ、帝の匂いだ・・・














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