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愛を…
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明らかに落胆する奏

それを傍目に見て、話を切り上げた


「質問はそれだけか?だったらこれで“♪〜”…悪い」



終わろうとしてる時に鳴り出す携帯
さっきといい、今といい…なんだよ一体
少しイラつきながら開くと、画面には馨の名前
俺は、すぐに電話に出た


「どうした?」


『あ、帝?俺だけど』


うん、解ってるよ、画面見たからもあるけど、声でもすぐに解るよ
こんなに好きなんだからな…


「ん、わかってる。何かあったのか?」


つい、目の前に他人がいることも忘れ
電話の向こうの馨に微笑みかけてた


『あのさ、りっちゃんから連絡があってさ、今日は食堂で食べて欲しいって』


りっちゃんこと律は、こんなめんどくさいことを押し付けた張本人
生徒会の書記だ


「律が?」


『うん、それで編入生の二人を食堂まで案内しろって』


あいつめ…
馨を使って俺を動かす気かよ…


「そんなの、他の奴にさせればいいだろ」


だから、二人で部屋で食おうぜ?
お前だってそのほうがいいだろ?

でも、そんな俺の思いもむなしく


『んー今日は食堂で食べよう?な?』


馨は、食堂を選択した


「…帰ったら一緒に食おうって約束しただろ?」


『っみ、帝が盛るから腰が痛いの!!』


「お前だって、“もっと”って言ってたくせに」
 

『帝!!』



可愛かったよなぁ
自分から脚開いて腰振って、俺にもっとって強請ってきてよぉ…なぁ、馨?


「ククッ」


『もう帝の馬鹿ッ』



《ブツッ》



「……」


切られた…おいおい、そこで切るなよ
フッ、これは…後でお仕置きだな


電話が切れたあと、すぐにまた携帯が鳴った
すぐに切れたそれで、メールだってことがわかる
メールを送ってきたのは馨で

“食堂でまってるからね”

それだけ書いてあった


「ククッ」


あぁ…まったく本当に可愛いなぁ、俺の女王様は…




「…あの」


一人馨からのメールを見て笑っていると、奏が声をかけてきた
そういえば、こいつらいたんだっけ


「これから食堂に案内するからついてこい」



早く行かないとな…女王様を待たせたら後が怖いからな















馨…お前は俺が守るよ、お前が望むなら俺は何でもしてやる



だから、俺のそばに居てくれ…











帝編
俺が守るよ――End

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