愛を… 10 コイツは誰だ? 本当に馨か?馨は自分からそんなことを言うような奴じゃなかった こんな誘い方も知らない真っ白な奴だ でも、確かに目の前にいるのは馨で、俺の…―― でも、実際キスだけで、かなり興奮していた俺は、一瞬驚きはしたものの、少し乱暴にキスをした 「んっ…ふぅ、はぁ」 口の中を貪るように下で犯し、その甘い味に心が落ち着いて行くのをを感じていたら、ゆっくりと馨が目を閉じた 俺も、目を閉じしばらくキスをした後、ベッドへと移動した ずっと欲しかったんだ… 欲しくて、欲しくて仕方なかった アイツしかいらない アイツ以外いらない!! やっとアイツを手に入れたのに 何で… ――――こんなにも空しいんだ? 汗が額を落ちる 荒い息が当たりに響く 俺の下では、馨が気絶していた… 今、何時だ?あれから何時間経った? 俺の下で喘ぐ馨に夢中になって、そんなの全然気にしてなかったけど、気絶させてしまうほど、長い時間繋がっていたのか? ずるっと自身を抜くと、馨が身震いした…その姿が官能的でまた熱が集中しそうになった けど、気絶してる馨にこれ以上のことなんてできなくてシャワーを浴びに行った 熱を抑え戻ってくると、馨はそのまま寝てしまったみたいで、静かに寝息を立てていた 「馨…」 愛しい…愛しい奏の弟… 汗で湿ってる前髪をゆっくりかきあげ、馨の顔を覗き込んだ 情事の最中ずっと泣いていたからか、目元が赤い… 涙の後が乾燥してぱりぱりになってる… なぁ、どうしたんだよ? 何があったんだ? 言えよ…俺ら付き合ってるんだろ? だったら、俺に頼れよ… なんで、一人で泣くんだ? 馨…馨… 気づけば、寝てる馨を抱きしめていた 汗が気持ち悪いとか、まだ後処理してないとか、そんなことどうでもいい 消えそうなんだよ…お前が… どこかに消えてしまうような気がして仕方ない… だから、離したくない…ずっと離したくない… 馨… 馨を抱きしめたまま、俺はいつの間にか眠りに落ちていた . [*前へ][次へ#] [戻る] |