愛を… 8 一方的に切られてムカついた… 震える声 なのに助けを求めないアイツに苛立った… それを抑える為にキスしたんだ…ごめん…奏 「大丈夫だよ、僕のことは気にしないで」 まるで俺の気持ちがわかったかのように返事をする でも、きっと解ってない 「悪い…アイツから会えないかなんて初めてだったし…」 何か気になるんだ… “悪い”の意味を奏が考えてる方に切り替えた… でも、この気持ちも嘘ではない… 本当は今すぐ飛んで行きたいとも、俺は思ってる けど、今は奏とのデートの最中…そんなことは出来るはずなかった ただ、早く夜になれと、思うしかない… 奏と途中まで送って、家に帰る まだ5時だ… 夜っていつだ? 何時からが夜だ? まだ外は明るい…まだ夜じゃない… 早く夜になれよ…っ 2時間もすれば外は真っ暗になった… この中をアイツがくるのか? 迎えに行くか…でも、入れ違えになるかもしれない… でも、こんな暗闇の中を歩かせるなんて… そんな葛藤が俺の中で繰り広げられていた そして思い返すと、俺はこの待ってる間、ずっと馨のことだけを考えていた… 奏以上に馨のことを… 俺は奏を好きなのに…奏のことを愛してるのに…奏しかいらないのに… なんでこんなにも馨が俺の思考回路を塞ぐんだ――? . [*前へ][次へ#] [戻る] |