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碧螺春の宴
カンパニュラ
「ギール・・・ドゥー、皆・・・・」
青くきらめくロッディリア・ジュリーンを胸に抱きながら、この大切な 愛する者と暮らしていた、大切な国を・・出る。
何があるか、分からない。
だけれど これは俺自身が決めた事。
皆がそれでどんなに怒ったって、いい。
哀しみを憎しみに変える。
それしかこのどうしようもない涙の行き道はないから・・・。

「俺・・皆に会えたこと、感謝してるよ・・」
でも

でも・・・!!


「今だけは・・っ、今だけは・・ううん、これからもだ!」
ぐっと涙を堪える。
でないと、止まらない。
苦しい 辛い。
「皆に会えたこと・・っ、後悔してる・・!」
俺の心に咲いたカンパニュラ。
きっと ずっと俺の中の涙と憎しみを吸い続けてどんどん大きくなっていくだろう。
だって だって

愛していた。

どうしようもなく。


「愛してる・・! 愛してる・・っ! だけど・・だけど・・っ! 俺だけが生き残っても意味が無いんだよ・・・・っ!!」

どうして俺たちがこんな目に。
俺たちはこんなちっぽけな・・神の化石なんてどうでもよかったのに!
ただ皆がいればそれだけでずっとずっと幸せに生きていけたのに!

「・・・・・・・・・・俺は・・酷い奴だ・・・」


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