[携帯モード] [URL送信]
誤解 曲解 勘違い ※♀ 3

「お、月島」
「ああ、両国さんもいらっしゃったんで……な、何…してるんですか!?」

振り向いた両国に向けたその温和な表情は、みるみる硬直する。
月島の視線は、両国の胸の上で重なった二人の手にくぎづけ。それに気づくやいなや、都庁は両国から手を離し、無罪を主張するように両手を開いて顔の横に上げる。

「こ、これは…ち、違うぞ!」
「都庁さん?」
「ちがうっ!誤解だ!」

誤解だ、などと言われては、かえって疑いが増幅するもの。とっさに両国の二の腕をつかみ、自分のほうへ引き寄せると、月島は両国の身体を自分の胸へ抱きこめた。

「だ、大丈夫ですかっ!?何かされたりは…っ!!」
「…?」

月島が何をそんなにうろたえているのか、両国はまるでわかっていない。そんな両国をよそに、都庁と月島の話はあらぬ方向へ転がっていく。

「シャツのボタンもずいぶんあけっぴろげですけど…両国さんが暑がっているからって、脱がすのを手伝ってたとか、ではないですよね…?」
「な…何を言う!本気でそんなことを思っているのか!?」
「私がいなければ、車内には二人きりだったわけですし」
「お前…いくら相手が私でも、言っていいことと悪いことがあるだろう!」
「と、いうことは?都庁さんは両国さんに対して、少なからずそういったお気持ちがある、と解釈していいんですよねえ?」
「ちょっと待て…どうしてそういう話になる?」
「さあ?自分の心に聞いてみてはいかがです?」


20100705


←text

[*前へ]

3/3ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!