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誤解 曲解 勘違い ※♀ 2
「そうだな。お前は代謝がよさそうだから、暑いのかもな」
「そりゃ知らねえけどな…つうか、もう、ほんとムリ!」
「…、ん?」

いきなり。こともあろうに、都庁の目の前で、両国はベストを脱ごうとボタンに手をかけた。シートに座った都庁の視線は、両国の胸の高さにある。
まずい、それはさすがにまずい。

「こ、ら…やめないか!」

ボタンにかかる両国の手を思わずぎゅっと握りこみ、都庁は行動を制止した。突然のことに、両国は状況が理解できず、きょとんとしている。

「…リーダー?」
「お前な…常々言っているだろう?はしたないこと、だらしないことはやめろと」
「って、ベスト脱ぐだけだぜ?」
「だめだ。暑いだろうが、ベストは着ておけ。脱ぐんじゃないぞ、絶対に」
「お、おう…」

都庁の強い言葉にに気圧されては、さすがの両国と言えど、イエスと答えるしかなかった。
理由は、単純なこと。そう、白いシャツ一枚では、下着が透けるから。
シャツの下にキャミソールかなにかを着ていればまだいいが、無頓着な両国のことだ。シャツの下には下着一枚しかつけていないことも考えられるし、それが透けやすい濃い色の物だって可能性もある。
とにかく、暑いからといって簡単に薄着にさせることを、都庁はよしとしなかった。

「都庁さん、報告書をお持ちしました」

不意に、両国が入ってきた連結ドアがゆっくりと開き、またひとりやってきた。


20100629


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あきゅろす。
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