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おさんぽはどちらまで 5

「せっかく口に出してやったのに…全部飲めといつも言ってるだろうが」
「いきなり出すなっていっつも言ってんだろ」
「俺様の分身だってのに、粗末にしやがって」

だらだらと口元からこぼれる白濁を、むせながら新宿は手で拭う。口元を精液で汚しながら、とくがわを見上げる新宿の表情。そこには、かわいがってもらいたいと媚びているわけでもなく、これ以上は許してくれと哀願するわけでもなく、かといって羞恥の影もない。
何も感じていないようなその顔つきは、かえってとくがわの興奮を助長する。

「嫌な顔だ」

革靴のまま、とくがわは新宿の股間をぐりぐりと踏みつける。

「っ…!!」
「こんなにおっ勃ててんのに、涼しい顔しやがって」
「もともとこういう顔でね」

新宿の放つ言葉はとくがわの感情を逆撫でし、そして征服欲を煽る。

「座ってる場合じゃねえだろ?立て」
「へいへい」

重たげに腰を上げると、新宿は自分のベルトに手をかける。いつものように自ら下半身を晒し、そしていつものように言う。

「さっさと済ませてくれよ」
「さっさと、ね…」



「う…ぁ…」

新宿は壁に手をつき、とくがわに背中を向けている。
とくがわは、窄まりに指と舌をねじ込む。まだほぐれていない場所にいきなり異物が侵入してきた刺激で、新宿は全身をこわばらせる。

「もっと尻を突き出せ、やりづらい」

乱暴な言葉にも、新宿の身体は素直に動く。便座に片足をかけ前屈みになると、股の間からとくがわの手が前に伸びる。指は強引に新宿の身体の奥を開こうと動き、同時に前に回るもう片方の手は、やわやわと太ももの付け根を撫でまわす。

「いい眺めだな」
「は…っ…」

とくがわの手は、あえて核心には触れてこない。触れてほしくて、新宿が身体をくねらせているのに、なお焦らすその仕草は、新宿の気を狂わせんばかりにさせる。



20100507


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あきゅろす。
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