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それは想定外 3

「ふうん…なんだお前、ずいぶんと反応してるじゃないか」
「ち、ちが、う」
「何が違うものか。こんなに固くして」
「んっ…」

突起を指先で転がされ、意思に反して声とも息ともつかないものが漏れてしまう。それを皮切りに、都庁の手に力が籠り、執拗に愛撫される。

「やめ…リーダーぁ…」

必死に告げた懇願も、口からこぼれた途端に、吐息まじりの誘惑めいたものに変わった。そんなつもりは毛頭ないのに、両国の言葉は都庁を制するどころか、余計に感情を煽ってしまうだけだ。

「なるほどな…お前と月島の淫行には甚だ憤っていたが、これではなあ…」
「何がいいてぇ」
「月島が一方的に欲情していたのかとばかり思っていたが、お前がこれでは、月島も拒めまい」
「っ!?」

都庁の言うこと、半分は間違っていない。
ルールやら規定にうるさい都庁は、車内マナーにももちろん厳しい。ちょっとのことでも、騒ぐな走るなと小言になるのだ。それが、車内でいわゆるいかがわしい行為など取ろうものなら、都庁の逆鱗に触れるのも無理はない。
けれど、月島とのときも、そして今も、両国がその行為を促したというのは、それは…

「先に手ぇ出してきたのはそっちだろうが!!」
「そんなことは関係ない。お前が私を焚きつけてきたのは事実だ。月島にここで抱かれて、わざわざ私が怒るようなことをして、それで私の気を引こうとしているんだろう」
「んなことあるかよ!」
「よく言う…」

胸をまさぐっていた手は腹筋をなぞりながら、徐々に下降していく。都庁の腕の中で、いくら反論を繰り返しても、もはや都庁の耳には届かない。

「こうしてくれさえすれば、誰だっていいんだ、お前は」
「ちがう…」
「何が違うものか。お前を抱いているのが、月島かそうでないか、それだけのことだろう」
「ちがう、ちがうっ!」
「違わないさ、今にわかる」


20100413


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