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危機感、ヨロシク 4

「二人とも素直じゃないなあ」
「何がです?」
「あんなに意識し合ってるんだから、いっそ公認になっちゃえばいいのに」
「突然何を!」
「まあ、聞いてよ。両国くんはああいう子だから、無条件にかわいいかわいいってしてあげたくなるんだよね。月島くんが両国くんのこと気になって仕方ないっていうの、わかる。でもねえ、そんなことばっかり考えてる月島くんもけっこう危ないよね。両国くんしか見えてないなんて、ねえ…」
「…?」
「二人とも、さっさと覚悟を決めたほうがいいと思うよ。あんなにどっちつかずにふわふわしてたら、両方とも僕のモノにしちゃうよ」
「両方?」
「そ。両国くんも、君も。だから、さ。もっと危機感持ちなよって話。それだけ。じゃあ、気をつけてね!」

ほぼ一方的に話を終わらせると、豊島園は月島をぐいぐいと両国のそばまで押し返した。

「お待たせ、両国くん。気を付けて帰ってね」
「あ、ありがとうございます」

月島がとしまえんに来て、最後に持ち帰ったもの。
それは、楽しい思い出ではなくて、先輩から与えられた恋敵宣言と、漠然とした危機感だったことは、言うまでもない。





20100325




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あきゅろす。
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